取材で心がけていることについて、竹内氏は「テレビ番組として行くというより、店主さんのことを知りたいとか、好きな人に会いに行くいう感覚だと思います」と話すが、その精神を象徴するのが、18日の放送で発生した、大忙しのお店を取材中の番組スタッフが5日間にわたってお手伝いしてしまうという珍事。

「あれは『困っているから手伝わないと』というだけで、本当に成り行きでああいう形になったんです(笑)」(竹内氏)

「ディレクターである前に、人として接することを心がけています。だから、取材していても『パートさんが休みだから手伝って』と言われたら、『じゃあ…手伝うか。その様子も一応撮っておこうか』となるんです(笑)」(加藤氏)

この事例だけでなく、スタッフが店主とかなり親密になるケースが多いそうで、店主が取材ディレクターに「結婚式呼べよ」と声をかけることが、頻繁にあるそうだ。

  • ヒロミ (C)CTV

■無自覚でサービスする店主たちを見て「心が浄化される」

番組に登場する店主は、驚きのサービスを行っている自覚がない人が多いのだそう。「OAを見て初めて、自分のやってることが珍しいと知る人が結構いて、『そんな安いかね?』『量も多くないと思うんだけどねえ』と不思議そうにしているんです(笑)」(加藤氏)と、下心なしのサービスであることを裏付けている。

そんな店主たちの姿を見て、竹内氏は「毎回心が浄化される気がします(笑)。僕が出会ったカレー屋の店主さんが、『世の中の価値観が、お金じゃなくて“愛情”で考えられるようになると世界が変わると思う。今はカレーを作ってるけど、究極はそういうところを目指したい』とおっしゃっていて、すごすぎるなと思いましたね」と、心を動かされたそう。

加藤氏は「特番時代、(MCの)ヒロミさんがVTRを見ながら『こういう人たちがたくさんいたら、世界って平和になるかもな』と言ってくれまして、本当に僕らもそう思いました。店主さんを取材したり、お話をしていると、『こんなに頑張っている店主さんがいるなら、もっと自分たちも頑張らないと』という気にさえなってきて、若いスタッフも含め、いい刺激を頂いています」と影響を受けているようだ。