SOUNDPEATS「Gamer No.1」(搭載チップ:PixArt PAU1626)
圧倒的なコストパフォーマンスで知られるSOUNDPEATS(サウンドピーツ)の最新TWSイヤホン「Gamer No.1」(4,847円)は、なんとゲーミングイヤホン。Bluetoothでは避けることが難しい遅延を、PixArtのBluetooth SoC「PAU1626」の力で大幅に低減しているのだ。
PixArt(PixArt Imaging、原相科技)は台湾のファブレスチップベンダーで、CMOSイメージセンサーを得意とするMediaTekのグループ企業。Bluetooth SoCは2019年以降、子会社のAudioWise Technology(原睿科技)に移管されている。
その最新チップ「PAU1626」は、フィードバック/フィードフォワード両対応のNC機能のほか、「GRS(GreenRadio Stereo)」と呼ばれる左右同時伝送技術をオプションとして用意する。
しかし、「Gamer No.1」はノイズキャンセリング(NC)機能もなければGRSにも対応しない。ゲーミングイヤホンとして、PAU16XXシリーズのSoCのもうひとつの特徴である「低遅延」に重きを置いているのだ。
Gamer No.1をゲームモードに切り替えると、特別なコーデックに頼ることなく60ミリ秒(0.06秒)という低遅延で動作するようになる。人間が体感可能な遅延は120ミリ秒以上とされるから、ゲームモードで使用するかぎり、キャラクターの動きと効果音がズレては聞こえない(ズレに気付かない)ことになる。
実際、iPhone 12でゲームモードに切り替えて音楽ゲームで遊んでみると、画面の動きと効果音にほとんど違和感がない。通常モードに比べやや音途切れが目立つようになるものの、判定がシビアなゲームで遊ぶときはゲームモードのほうが安心だろう。
Gamer No.1は、音質面も抜かりない設計となっている。実売5,000円以下のTWSイヤホンと聞くと、いろいろ削ぎ落とした仕様を思い浮かべてしまうが、Gamer No.1は6.1mm径ダイナミックドライバー2基のデュアルドライバー構成。低域の量感もさることながら、中高音のヌケもよく、音楽鑑賞用としてもじゅうぶん満足できる水準に達している。
アンダー1万円どころかアラウンド5,000円のNC対応TWSイヤホンが出回り始めた今、NC非対応と聞くと少しがっかりしてしまうが、「低遅延&高音質」を重視するというアプローチもアリだろう。
Gamer No.1の仕様
- Bluetooth SoC:PixArt PAU1626
- Blutoothバージョン:5.0
- NC:△※
- 左右同時伝送:○(GRS)
- 低遅延モード:○(60ms)
- 対応コーデック:SBC、AAC
- イヤホン再生時間:約5時間
- 充電ケース併用:約25時間
※注:SoCのオプションとしては存在するが、Gamer No.1では非対応