EarFun「Free Pro」(搭載チップ:Airoha AB1562)

EarFun(イヤーファン)のTWSイヤホン「Free Pro」(5,999円)は、最大208MHz駆動のDSPコプロセッサを内包するAirohaのSoC「AB1562」を採用。騒音を最大28dBまで低減させるというフィードフォワード方式のノイズキャンセリング(NC)機能のほか、左右同時伝送技術「MCSync」をサポートする。

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    NC対応のEarFun「Free Pro」。AirohaのSoC「AB1562」を採用している

Airoha(達發科技)は台湾MediaTekのグループ会社で、Bluetooth SoC以外にもMediaTekから移管を受けたウェアラブル用SoCなどを手がけている。その開発力は高く、特定ベンダー製チップに依存しない左右同時伝送技術のMCSyncをいち早く市場へ投入、大手メーカー製TWSイヤホンにも多数の採用実績を持つなど、存在感は大きい。AB1562はシリーズ上位に位置付けられる最新型で、NCやMCSyncなど豊富な機能をオプションとして用意している。

AB1562を採用したFree ProのNC性能は、なかなかのレベル。フィードフォワードとフィードバックの2方式を併用するタイプ(ハイブリッドNC)ではないものの、イヤホン本体がカナル型で小ぶりなため、耳にフィットしやすく、結果としてしっかりとしたノイズ低減効果を得られる。電車(地上/地下)乗車時にも試したが、ガタンゴトンという音はやや残るものの気にならず、いわゆる“ノイキャン”に期待するレベルの静粛性を得られる。

音質も注目ポイントだ。低域と中域を強調したサウンドキャラクターには力強さがあり、POPS/ROCK系を楽しく聴ける。MCSyncの音途切れの少なさと省電力性があるうえ、AACコーデックをサポートしているから、iPhoneとも相性がよい。

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    パッケージの内容物。イヤーチップやケーブルが整然と並んで収められている

ところでEarFunは、SoCに同じAiroha「AB1536」を搭載したTWSイヤホンとして「Air」も展開している。こちらはNC非対応でスティック型、先端部分にマイクを配置するなど通話品質を重視した設計だが、音の傾向などはFree Proと通じる部分も多い。同じベンダーのチップを採用することによる設計ノウハウの継承はあるはずで、ある種の安定感を感じさせてくれる。こういった“チップの継続採用”も、TWSイヤホンを選ぶうえでひとつのポイントになる。

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    EarFunの別製品「Air」。Airoha AB1536を搭載するが、NCには非対応

EarFun Free Proの仕様

  • Bluetooth SoC:Airoha AB1562
  • Blutoothバージョン:5.2
  • NC:○(フィードフォワード方式)
  • 左右同時伝送:○(MCSync)
  • 低遅延モード:△※
  • 対応コーデック:SBC、AAC
  • 再生時間(イヤホン単体):約6時間(NCオン時) / 約7時間(NCオフ時)
  • 再生時間(充電ケース併用時):約27時間(NCオン時) / 約32時間(NCオフ時)

※注:SoCのオプションとしては存在するが、Free Proは非対応