土方を演じるにあたっては、熱量や武士への思いを大事に。「昔、バラガキで、ガキ大将よりもやんちゃだったと。諸説あると思いますが、子供の頃から人一倍熱量が高かったと思うので、そこは大事にできたらいいなと思います。また、武士を目指してきて、人一倍、武士に対するイメージを守りたいし、それに近づきたいという思いがある人物だと思ったので、そこもすごく意識しています」と説明する。

誰もが知る人物であり、これまでも多くの俳優たちが演じてきた土方だが、そういう意味でのプレッシャーはないという。「今まで演じてきた方たちもそれぞれ自分なりに、いろいろな土方歳三像をキャッチし、その作品の中での土方歳三をどう演じるか懸命に探した結果、素晴らしい土方歳三を演じられていると思う。僕も『青天を衝け』ならではの土方歳三を演じられたらいいなという思いでいるので、そこに関してプレッシャーはないです」。

そして、『青天を衝け』ならではの土方について、「史実に出てくる人物像も大事にしながらですが、渋沢栄一とどう絡んでいくのか、一見絡まなそうな2人なので、そこがどう絡んでいくのか僕も楽しみにしていました」と、栄一との絡みを見どころに挙げ、「土方歳三も渋沢栄一も田舎の出身ということでシンパシーを覚えるシーンがある。そこで自分はどういう思いで武士になったのか吐露するのですが、僕も田舎出身なのでシンパシーを感じ、そういうところを大事にできたらいいなと思いながら演じています」と共感を明かす。

また、「僕は東京など栄えている街に行くときは、田舎者っぽさを出したくないという思いがあり、服や流行っているものを頑張って学んでいたので、そういうところが土方歳三にもあったのではないかなと。武家じゃないところから武士になっているので、武士とはこういうものだろうと演じている部分もあると思う。そういうところも意識しています」と述べ、さらに、「僕は芸能界や華やかなスポーツの世界に憧れを抱いていて、土方歳三さんは武士に憧れていた。そこはすごくシンパシーを感じ、わかるなと思いました」と共感。ちなみに町田は、群馬県吾妻郡東吾妻町出身だ。

土方に共感を抱いている町田だが、似ていない点については「あえて言わせてもらうならば、僕は人に無理強いしないかな」と話し、「もちろん時代が違いますし、そうせざるを得なかったのだと思いますが、局中法度も出していて、僕はそんな決断はなかなかできない小心者だなと思います」と笑った。