――ナレーションのお仕事の経験は、多いほうなのですか?
実はあまりやったことがなかったんです。最初は『ダウンタウンなう』の特別編でナレーションをさせてもらったのですが、まさか毎週になるとは思っていなくて。実際にやり始めると毎週毎週同じようにしか読めなくて、声の“幅”に自信がないんです。自分の中で「これじゃいけない」という思いがあり、ボイトレ(ボイストレーニング)に通い始めました。実は先輩の西山喜久恵アナに紹介してもらったのですが、皆さんベテランになっても向上心を持って取り組んでいるんですよね。
――声の“幅”というのがあるんですね。
例えば、バラエティだと明るく元気よく読むと楽しい気持ちで見てもらえるというのがあるのですが、その「明るく」でも、私の場合は、大声で叫んでいるような声になってしまうので、それを別の声色で表現できたらと思っています。
――特に『ツマミになる話』のナレーションは、ハイテンションですよね。
私の代理で石本沙織アナが担当したときがあったのですが、「あのナレーション大変だね! (スタッフに)『テンションもっと上げてもっと上げて』って言われて、喉が潰れるかと思った!」と言っていました(笑)。私もいつもギリギリのところまで上げて声を出しているので、収録前のアイドリングトークが大事なんですよ! テレワークで、ひと言も発しないまま現場に来ることもあるので、喉を温めるためにいつも30分くらいしゃべっています(笑)
■その場が笑ってくれたら「よしっ!」
――自分の感想を入れるパートも、特殊なナレーションですよね。
そうですね。自分が出演するバラエティと、ナレーションのみ参加になる番組のちょうど間くらいの感じです。スタッフと話をしながら考えて、録音ブースに入ってそのとき感じることも言ってみて、さらに話し合いを経て、いかにコンパクトに自分の個性を出しつつ、分かりやすい言葉で共感してもらえるかということを考えるので、結構難しいですね。
――特に難しいのは、どんなテーマですか?
今回の収録であった「夕飯のメニューを奥さんに気軽に聞けるか」みたいなテーマだと、実体験があるのでコメントをしやすいのですが、以前「どの星座に憧れているか」というランキングが出たときに、5秒で何と言ったらいいのか分からなくて…。そういうときは無理して感想を言わず、「皆さん、強い生き物に憧れているんですね!」と客観的に受け止めました(笑)。でも、せめてナレーション収録の場を、クスッと笑わせたいじゃないですか。自分の感想コメントでみんなが笑ってくれたら「よしっ!」という気持ちになるので、そこのバランスを考えてやっています。
――思わずサービス精神が出ちゃうんですね。
夫の浮気ネタは強いです(笑)。その場にいるみんなが笑ってくれたら「OAもいける!」とうれしくなりますね。