今作はコロナ禍で撮影が行われたが、前作と大きく異なる部分を聞いたところ、「みんなもちろんマスクをしていたり、フェイスシールドをしていたりだったんですけど、それを付けてテストをやって、外して回収して、撮影して…という手間だったり、スタジオに入るときも全員消毒して、消毒マットも踏んで…みたいなのがあったり、あとは木村君が差し入れしてくれた空間除菌できるグッズを撒きまくったりとか、そういう“消毒除菌隊”が活躍する時間がありましたね」と紹介。
この“消毒除菌隊”が活躍する待ち時間については、「僕は撮るのに時間がかかるほうなので、その分考える時間が逆にできて良かったですね(笑)」と、ポジティブに捉えていたようだ。
さらに、「前回はロケできたけどできなくなった場所も若干ありまして。こちらも大人数で撮影に行くので無理強いはできないですし、そういった部分でちょっと変えなきゃいけないことがいくつかありましたね」と苦労を明かした。
■さらなる続編は…
そんな今作の見どころを聞くと、「前回登場したキャラクターや流れを生かしつつなんですが、新しいキャラクターも増えているし、風間の過去も少し見えてくるので、そういった部分が見どころですね。風間に関しては相変わらず分からないところは分からないんですけど(笑)。あとは、新しい生徒たちがどういう動きをするのか。警察官にもいろんな人がいるんだな…っていうのが分かると思いますし、生徒役は今回、あんまりイメージが付いていない役者ばかりだと思うので、前回よりももっとフラットな感じで、この人どんな人物なんだろう?どうなるんだろう?というのを、前回以上に楽しめる作品になっていると思います」と自信を見せる。
中江監督の作品は、オープニングにも注目だ。前作では“スキーの帰り道に事故を起こす”という場面を、新雪が積もる道に車輪後が残り、その先に事故車両がある…という設定にし、ドローンを用いた滑らかな画で車内まで追いかけて映し出すという、インパクトと美しい映像が融合したオープニングが印象的だった。
「『教場』っていう木村拓哉が主演の、警察学校が舞台のドラマを、オープニングでいかに裏切るかというのを考えて、前回はあのオープニングになりました。だから今回も意外で、『何だこれ!?』って思うオープニングになっていると思いますよ」と予告する。
そしてやはり気になるのは、さらなる続編もあるのか、ということ。「どうでしょう(笑)。君塚さんとも『できたらやりたいね』って話はしていますよ」と、期待をのぞかせるコメントをくれた。
今回の『教場II』は、前作の良い部分をどのように踏襲し、そこからどう進化させているのか。中江監督が仕掛けるオープニングから、続編を期待させるラストになっているのか。最初から最後まで見逃せない作品なのは間違いない。
●中江功
1963年生まれ。法政大学卒業後、88年にフジテレビジョン入社。これまで演出を手がけた主な作品は『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『若者のすべて』『ピュア』『眠れる森』『空から降る一億の星』『Dr.コトー診療所』『プライド』『ようこそ、わが家へ』『教場』など。映画『冷静と情熱のあいだ』『シュガー&スパイス 風味絶佳』『ロック ~わんこの島~』の監督も務める。2020年は『教場』と『世界は3で出来ている』でギャラクシー賞月間賞を受賞した。