続編を作る上で意識したことを聞くと、「前回を見てる人は、風間ってこういう人なんだろうなってもう分かってるし、全く同じフォーマットだと飽きるかもなとも思ったので、結構難しかったですね。だけど、同じことをやる分にはあんまり躊躇(ちゅうちょ)しないようにと思いました。勇気あるマンネリは必要だし、分かっているからこそできる話もある。『金八先生』のように学校の話でもあるので、同じことをやりつつ、“生徒が変わるとこんなふうに物語も変わるんだよ”という考えがありました」とのこと。

では、今作で“変えた部分”は何だろうか。

「新しいキャラクターを登場させたり、風間の過去にもちょっと触れてみたりと、前のフォーマットを踏襲しつつ、新しいことをやろうというふうに考えました」というが、“変える”ことに対しての葛藤はやはりあったようだ。

「こういうのって『一緒じゃん!』ってなるのがいいのか、『違うじゃん!』ってなるのがいいのか、難しい部分なんですよね。テレビって誰でも見ることができるものなので、『何だよ』ってなっちゃったら終わりなんです。そのためには引きつける何かがなきゃいけない。前回を見ている人はもちろん、初めて見た人も、『何だこれ!?』っていうか、『面白そうじゃん』って思わせる見せ方をしなきゃいけないなという使命感で作りました」

それでも、「とにかく今回は作り方が難しかったです。たぶん、みなさんは前回を踏まえていろんなことを予測しながら見たりされると思うので、振りすぎてもダメだし、振らないと気づかれないし…。これはでき上がって、放送を見てもらわないと実際どうなのか、本当に分からないですね」と、続編の難しさをにじませていた。だからこそ、中江監督が苦労したという“振り”のあん梅、さじ加減も注目したいポイントだ。

  • 樋口日奈 (C)フジテレビ

■注目は乃木坂46・樋口日奈「2021年ブレイクする」

この作品は、木村が演じる“圧倒的な主人公”が放つ緊張感の中で奮闘する、警察学校の生徒たちも見どころの1つ。そんなキャストたちは、監督の目にどう映ったのか。

「今回は一緒に仕事をしたことがない人ばっかりだったのでフレッシュでした。杉野(遥亮)君は子供みたいで純粋で面白かったですし、目黒(蓮)君はやっぱり大先輩(=木村)が目の前にいるのですごく緊張していて、その中で何とかやり遂げたって感じですね(笑)。福原(遥)さんは本人のキャラを活かしつつ、これまで出ていたようなラブストーリーとはイメージの違うキャラクターになっているので面白いと思います」

  • 杉野遥亮

  • 福原遥

  • (C)フジテレビ

その中でも注目してほしい人物を聞くと、「乃木坂46の樋口(日奈)さんですね。2021年ブレイクすると思いますよ(笑)! 何で今まで役者をやらなかったのってくらい、演技がすごいというより、佇まいが役者っぽいんですね。反応が良いし、声もいい。だから、実は台本ではそんなに出ていないのに、でき上がったものを見ると倍近く登場していると思います」と、ゴールデン帯ドラマ初出演となったアイドルに太鼓判を押した。