俳優・歌手の木村拓哉が、冷酷無比な警察学校の教官・風間公親を再び演じるフジテレビ系スペシャルドラマ『教場II』(1月3日・4日21:00~)。長岡弘樹氏の同名小説を原作に、『踊る大捜査線』などで知られる君塚良一氏が脚本を担当した話題作で、演出を務めるのは中江功監督だ。
今作同様、木村主演で『眠れる森』(98年)や『プライド』(04年)など数多くのヒット作を手掛け、2020年は1月放送の『教場』と、6月放送の林遣都主演『世界は3で出来ている』でギャラクシー賞の月間賞を2度も受賞するなど、長年質の高い作品を生み出している。
そんな中江監督が、『教場II』に込めたこだわりとは。生徒役キャストたちの見どころや、気になる『III』への展望なども含め、話を聞いた――。
■前作のラストを盛り上げるために
前作ラストでは新たな“風間教場”の生徒として、上白石萌歌、三浦貴大、佐久間由衣などがほとんどセリフもなくラストのワンシーンだけ登場。今作では、そんな彼らが再登場するという仕掛けが施されている。だが、前作の撮影時に、続編は予定されていなかったという。
「(続編は)全然、一切決めておりませんでした。その予定もなかったし、編成部からもそんなこと言われなかったんですよ。前回のラストは、最後全員エキストラ生徒だけではつまらないし、ラストシーンまでなんとか盛り上げるために、誰か知ってる人が出ていた方が面白いかもねっていうアイデアでああなっただけなんです。最後の最後まで仕掛けを仕込んだ方がいいと思いました」
また、前回ラストで登場したメンバーを今作に登場させるというアイデアは、脚本の君塚良一氏から出たものだそうで、「続編が決まって、今回は新しい“期”で、まだ映像化していない原作のエピソードを使おうとか、そういう話を君塚さんと最初にしたんだけど、どうせだったら前の期のメンバーが1人か2人出てくるエピソードを入れましょうって言われて、『あぁなるほどな』って思いましたね」と取り入れた。
■脚本・君塚良一氏は「そうなると思ってた」
このように、監督自身は続編については考えていなかったというが、君塚氏にはヒットメーカーだからこその“勘”が働いていた様子。「君塚さんに『続編やることになりました』って話をしたら、喜んで『そうなると思ってた』って言ってましたね(笑)。君塚さんは続編に関してもプロなので、そういう流れになることが分かっていたみたいです」
脚本家・君塚良一と言えば、代表作の『踊る大捜査線』はもちろん、草なぎ剛主演『TEAM』(99年)や、田村正和主演『さよなら、小津先生』(01年)など、連続ドラマで残されたエピソードを続編で巧みに展開させ、作品をさらにステップアップさせていく“続編作品の名手”だ。
「君塚さんはやっぱり心得てて、いろいろアイデアを持っているので、その点で助けられました。意気込みもものすごくおありで、原作にないエピソードも作るかってくらいの勢いがありました。だから今回は盛りだくさんでいこうと決めたんです。前回と同じボリュームでは飽きるし、目先を変えたほうがいいなというのもあって、君塚さんと一緒に考えて新しい視点もかなりいただきましたね」