「通販番組の形でありながら、エンタメの要素をMAXまで振り切ったところに挑戦する」と意気込んでスポンサーに売り込みを開始するも、放送実績のない番組のため、「本当に広告的な価値があるのかというところを分かってもらうのが、まぁ大変でした」と苦労を明かす。そこに、最初に乗ってくれたのが、玩具メーカーのバンダイだ。
通販番組に登場するイメージはないが、そんな企業が参加するのも、エンタメショーの要素を盛り込んだ今回の番組ならではの特色。「会社のポリシーや社員さんの情熱や愛情がにじみ出るような番組にしたいと思っているので、『企業ブランディングにもお役立てできます』と言ったところも面白がっていただけました」と、決め手を明かす。
営業に異動して4年半になるが、「スポンサーの広報部長やマーケティング部長は、大体40代~50代半ばの方が多く、ちょうどめちゃイケ世代なんですよね。お笑い好きの方から、『昔からずっと見てました!』と言っていただくこともあるので、ツカミは有利です(笑)」というメリットも。
今回参加するバンダイも、「昔から『めちゃイケ』を見てくれていた方が、『いつか明松さんと面白いことをしたいですね』と言ってくださっていて。この企画を思いついて、まず最初にご説明したら、面白がっていただけたんです。これは非常にありがたいですね」と感謝した。
■制作時代は「すべてお断りしていた」
営業の立場で、バラエティの番組制作に携わるのは「なんか変な感じですね(笑)」と吐露。「『めちゃイケ』をやってるときは、営業の人が来て『こんなことができないか?』と相談されることもよくあったんですが、プロデューサーの立場ですべてお断りしてたんです。面白いかどうかだけで判断したら、そうじゃなかったので。でも、そんな僕が今営業にいて、バラエティにお願いする立場になって、前の自分が今の自分を見てどう思うんだろう…なんて考えます(笑)」と打ち明ける。
だが、両方を経験する立場だからこそ、「スポンサーさんの要望を情報としてそのまま番組にお願いするのではなく、番組がより面白く魅力的になるようにアレンジをして相談しています。それは、僕のキャリアにしかできないことだと思うので、必死で知恵を絞っています」と意識。
さらに、「いい知恵が絞れたときは、逆に番組サイドからやらせてくださいって言ってもらえることが多いですね。制作現場の狭い世界の思考回路で行き詰まっているところに、全然関係ない外野から『これどうですか?』と言われたときに、それが突破口のヒントになることもあるんですよね。逆に、いい知恵が出てこないときは、悔しくて番組に相談すらしないんですけど(笑)」と、営業部員の立場でも番組のクオリティを最優先する。