◆Metro Exodus(グラフ62~75)
Metro Exodus
4A Games
https://www.metrothegame.com/
前回は実線と破線で1つのグラフにDXRTアリとナシを混ぜてお届けしたが、今回6製品×2で12本のグラフにしたら重なり過ぎで見分けがつかなくなったので、あきらめて2つに分けた。まずはDXRT無効の場合(グラフ62~68)。Radeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3080よりは上だが、GeForce RTX 3090にはちょっと差があるという程度に落ち着いている。
面白いのはフレームレート変動(グラフ65~68)である。例えば2K(グラフ65)を例にとると65秒あたりまでは圧倒的にGeForce RTX 3090のフレームレートの方が高い。ところがそこから80秒あたりまでの15秒間は、むしろRadeon RX 6900 XTの性能の方が上である。これは他の解像度にも共通する話で、何かしら相性があるらしい。ただ全体としてこの時間がそう長くないというのは、その意味ではDirt 5とかと逆に、Radeon系列はこのゲーム(というかゲームエンジン)と相性が宜しくないということだろう。
次にDXRT有効の場合(グラフ69~75)。平均フレームレート(グラフ69)を見るとRadeon RX 6900 XTとRadeon RX 6800 XTが殆ど重なっているというのは、CU以外の部分がボトルネックになっている感じだ。あるいはInfinityCacheを使い切ってしまったとかだろうか? 実際フレームレートそのものも何とかGeForce RTX 3070よりは上という程度で、Port Royalの結果の再現である。最大/最小フレームレート(グラフ70・71)もそんな感じである。Radeon RX 6800と比較すると多少フレームレートの向上がみられるから、CU数も必要ではあるが、Radeon RX 6800 XTの64CUあたりでリソース(InfinityCacheが怪しい、と筆者は推察している)を使い切ってそれ以上フレームレートが上がらない、という感じに見て取れる。
フレームレート変動(グラフ72~75)もこれを裏付ける結果になっている。
◆Red Dead Redemption 2(グラフ76~82)
Red Dead Redemption 2
Rockstar Games
https://www.rockstargames.com/jp/games/info/reddeadredemption2
平均/最大/最小フレームレート(グラフ76~78)を見ると、グラフの形そのものは違っているが、性能の傾向はHorizon New Dawnに近いものがある。解像度が低いところではRadeon RX 6000系が有利で、実際Radeon RX 6900 XTが最高速、GeForce RTX 3090はRadeon RX 6800 XTより低いが、4KだとGeForce RTX 3090が最高速。Radeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3080と同程度という結果だ。もっと4Kだと大分性能差は縮まっているが、その中でRadeon RX 6900 XTに10fps以上の差をつけているGeForce RTX 3090は流石である。
実際のフレームレート変動を見てみると、2K(グラフ79)でRadeon RX 6900 XTはほぼGeForce RTX 3090と同じ。これが2.5K(グラフ80)だとちょっと差が開いている。3K(グラフ81)だと差が更に開き、4K(グラフ82)ではほぼGeForce RTX 3080に近い結果になっている。高解像度で性能が伸び悩むというのは、扱うべきデータ量が増えてInfinityCacheが不足気味になるという可能性が高い。この辺がRadeon RX 6900 XTの問題かもしれない。
◆Shadow of the Tomb Raider(グラフ83~96)
Shadow of the Tomb Raider
SQUARE ENIX
https://tombraider.square-enix-games.com/en-us
Metro Exodus同様にこちらもDXRT無効と有効でグラフを分けた。まずはDXRT無効(グラフ83~89)から。平均フレームレート(グラフ83)はHorizon New DawnとかRed Dead Redemption 2の再現という感じになっている。Radeon RX 6900 XTは2KだとGeForce RTX 3090を上回るが、3Kあたりで重なり4Kでは逆転されている。最大/最小フレームレート(グラフ84・85)も大体そんな感じだ。フレームレート変動を見ると、2K~2.5K(グラフ86・87)では明確にRadeon RX 6900 XTが最高速である。ところが3K(グラフ88)だと微妙に逆転され、4K(グラフ89)では完全にGeForce RTX 3090の価値である。グラフ83だと4Kで6fps程度の差だが、80秒あたりのピークだと10fps近い差があるあたり、性能差は小さいとは言いにくいと思う。
次はDXRT有効の場合(グラフ90~96)。もうこれでRadeon RX 6900 XTの性能が出ないのはやる前から明らかではあったのだが、平均フレームレート(グラフ90)を見るとGeForce RTX 3080にかなり近い程度の性能が出てる辺りは意外に健闘している感じだ。最大フレームレート(グラフ91)もそこそこだ。ただ最低フレームレート(グラフ92)が落ち込んでいるのは、やはり厳しい感じである。
面白いのはフレームレート変動で、例えば2K(グラフ93)で60秒あたりまではRadeon RX 6900 XTはかなり落ち込んでいる。ところがその後の盛り上がりではGeForce RTX 3090に比肩するフレームレートを見せ、ただしその後急速にまた下がっている。恐らくはこれ、60~110秒あたりまではあまりDXRTの負荷が無いのであろう。Radeon RX 6900 XTだけでなく、Radeon RX 6800 XTとかRadeon RX 6800も似たような傾向であり、DXRT無効の場合の7割近いフレームレートを示している事もこの傍証となる。このあたりのフレームレートが高いがゆえに、平均フレームレートでは相対的に健闘している様に見える、という話である。逆に言えば、Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmarkの様にDXRT使いまくりだと、もっと激しく性能が落ちるということだ。
◆Tom Clancy's The Division 2(グラフ97~103)
Tom Clancy's The Division 2
Ubisoft
https://www.ubisoft.co.jp/division2/
ゲームテストの最後はこちらであるが、やはり結果はこれまでと似たものであった。平均フレームレート(グラフ97)を見ると2KはRadeon RX 6900 XTはGeForce RTX 3090と互角であるが、そこから解像度が上がってゆくにつれてGeForce RTX 3090にジリジリと引き離されてゆく感じである。最大/最小フレームレート(グラフ98・99)も大体そんな感じである。まぁ引き離されて、といっても4Kの段階で辛うじてGeForce RTX 3080よりは僅かに上回っているのだが。
これはフレームレート変動(グラフ100~103)からも明確で、また高解像度になるほどRadeon RX 6800 XTとの差が縮まってゆくのも同じである。妙な話ではあるが。高解像度が苦手、という傾向がRadeon RX 6900 XTの最大の問題かもしれない。