シンプルデザインで打ちやすいキーボード
ノートPCとしての使い勝手を改めてチェックしましょう。まずはキーボードです。キートップはかな文字表記がなく、シンプル。キーピッチは18.4mmと、フルサイズ(19mm)にはほんの少し足りませんが、カーソルキーのレイアウトや、テンキーをわずかに離して配置するといった工夫によって、快適にタイピングできました。
隠れたポイントとしては、文字キーとエンターキーなどで押す重さ(押下圧)がわずかに異なる2段階の押下圧を採用していること。体感するほどの違いはないかもしれませんが、小指で軽くエンターキーを押せるのは快適でした。
Core i7によるCPUパワーが魅力
最後に、ベンチマークソフトでTH77のパフォーマンスをチェックします。TH77のCPUは、4コア8スレッド、1.20~4.70GHzで動作する「Intel Core i7-1165G7」です。CINEBENCH R23では「5098pt」と高いスコアを記録。ただ、3Dグラフィックベンチマーク「3DMark」のTime Spyは「919」とちょっと低めでした。
リビングテレビと組み合わせ使い方がオススメ
TH77は、1kg台の軽さで気軽に家の中を持ち運べるスタンダードPCです。リビングでも寝室でも、ダイニングテーブルでも、日々軽快に使えるでしょう。処理性能は特に高いとはいえませんが、オフィスアプリなどはもちろん、動画視聴といったコンテンツを楽しむにもまったく問題ありません。
そして一番のポイントは、やはり充電スタンドの存在。リビングのテレビと充電スタンドをHDMIでつないでおくと、TH77の画面をサクッとテレビ出力できます。インターネット接続に対応した最新のスマートテレビなら、主要な動画サービスはTH77をつながなくても利用できますが、TH77ならChromeのアドインを使って、NetflixやYouTubeを倍速で再生したり、スマートテレビが対応していない映像サービスを大画面で視聴したりと、PCならではの使い方がリビングのテレビでできるようになります。
また、TH77の液晶ディスプレイはフルHD解像度(1,920×1,080ドット)ですが、充電スタンドからのHDMI出力なら4K画質で表示できるのも魅力(4Kテレビが必要)。4Kの高解像度なら、子どもが学校に行っている間のリモートワークに使うのもよさそうです。
TH77の実勢価格は税込20万円前後(2020年11月下旬時点)と、同クラスの製品と比べてコストパフォーマンスに優れているとはいえません。ですが、リビングでスマートに使える提案や、大型テレビへと手軽に画面出力できるのは便利。筆者の場合、小学生の子どもにPCを使わせるときテレビに画面を出すと、何を見ているのか分かるのがよかったです。リビングユース中心の家族共有ノートPCとして、候補にしてみてはいかがでしょうか。