Rakuten BIGの大きなアピールポイントは、「5G」に楽天ブランドのスマホとして初めて対応することです。ただし、2020年11月時点では5Gの恩恵を誰でも享受できるという状況にありません。
楽天モバイルが公表している5Gエリアは、9月30日時点の最新データで全国で21か所と極めて限られており、そのエリアの1つ1つもたとえば「世田谷区瀬田1丁目付近」といったように、今はまだ“○丁目”程度の範囲に留まっています。
4Gエリアの拡大に期待、eSIMの強みと弱点
ハードウェアとしては5Gでミリ波帯とSub-6帯の2種類の周波数帯に対応しています。今後、5Gのエリアが広がれば、その性能を存分に生かせる仕様と言えます。
また、2019年に新規参入した楽天モバイルには、4G LTEエリアの整備が不十分という課題もあります。急速に自社回線エリアを広げているものの、郊外や屋内などで実施していたau網とのローミングを終了しつつあり、カバーしきれていない場所で圏外となる状況も発生しています。
エリア展開の不足は一過性のものとなりそうですが、少なくともNTTドコモやau、ソフトバンクのような全国で使える4G LTE網と比べると、つながらない場所が多いということは理解した上で利用するのをおすすめします。
なお、Rakuten BIGはSIMカードに非対応で、「eSIM」のみで利用できます。国内でeSIMの音声通話サービスを提供しているのは現時点で楽天モバイルのみとなっており、カード受け取りの手間なく利用を開始できます。一方で、SIMロックフリー仕様ではあるものの、現状では実質楽天モバイル以外の回線で使えないという弱点もあります。
背面カメラは4眼構成、日中の写りは良好
背面カメラは4眼構成で、広角6,400万画素、超広角800万画素、深度センサー200万画素、マクロ200万画素という内容。最近のミッドレンジスマホで多くみられるカメラ構成です。広角カメラ基準で最大10倍のデジタルズームと、超広角での撮影が可能です。
日中の撮影は総じて優秀で、室内撮影での性能は悪くありません。マクロカメラを備えているだけに小さなモノの撮影にも強く、料理のボケも自然な写り。夜景はハイエンドスマホには及びませんが、広角カメラでは白飛びも抑えられるなど健闘している印象です。
インカメラは前述した通り、ディスプレイ内蔵型となっています。インカメラを起動した時にはディスプレイの一部が透明になり、画面越しにカメラを使えるという仕組みです。インカメラの解像度自体は3,200万画素と高いものの、ディスプレイ内蔵型は発展途上の技術ということもあり、全体に白いもやがかかったようなフンワリとした写りになります。
実用できるレベルではありますが“フンワリ”の除去や調整ができないため、セルフィーにこだわりがある人は一度実際に試してみたほうがいいでしょう。
以下に作例を掲載します。画像は一部を除き長辺1,200ドットにリサイズしていますが、画像クリックで拡大すると原寸大表示も可能です。