向井慧、ラジオでの反響「やっと届くように」若林正恭への感謝も

■反響実感も「思ってることはずっと変わってない」

――『#むかいの喋り方』などを聴いていると、向井さん自身が見たり聴いたりしたコンテンツの魅力を伝えるのが、非常にお上手だなと感じます。ご自身が好きだったり、心を動かされたりしたものを伝えるうえで、意識していることはありますか。

自分の悩みとか「生きるうえでこれむずいなあ」って思ってることと、本当にリンクした作品とかを見たときに、「分かるわ～、これ分かるなぁ」って喋りたくなるんですよ。でも、その作品の内容を全部説明するのは無理なんで、本当に自分が喋りたいポイント、その作品の中で「ここが1番良かったんですよ」っていうところをもう決めちゃいます。

で、それを伝えるには「じゃあ、これを言った方が伝わりやすいよな」とか、「自分の経験したこの思い出をここで喋っておいたら、『自分にもあるな』って共感してくれるかな」って考えます。喋りたいポイントをもう1点か2点に決めちゃって、そこから逆算して、喋ることが多いですかね。作品で良いと思うポイントはいっぱいあるから、全部さらっていこうとすると、まとまらないので。

作品のオチやメインの部分じゃなくても、自分が「実はここ、めっちゃ良かったんだよね」って思うところを絞って、あんまり手広く喋らないというのは意識しているかもしれないです。

――それこそ若林さんがお名前を挙げたりと、最近は向井さんのラジオで見せるような内面の部分がクローズアップされることが増えたように感じます。向井さん自身はそのような変化を感じていますか。

思ってることは別にずっと変わってなくて。芸人になってすぐぐらいから今まで、思ってることは一緒なんですよ。でも今34歳なんですけど、新しい後輩もいっぱい出てきて、自分になんか悲哀みたいなものが自然と出てきたことによって、前から思ってたことに説得力が帯びてきたのかなとは思います。前は言っても、「いやどうせお前は満たされてるじゃん」っていう感じだったので。

言ってもウケないし、誰にも届かないっていう感覚だったのが、ここ最近は『#むかいの喋り方』でそういう話をしたら、社会で同じように日々感じてる人たちから「わかります」「向井さんもそうだったんですね」的なリアクションが多く届くようになったなというのは感じます。ようやく届くようになったっていう感覚はありますね。

■リスナーは「結びつきが深いなと思います」

――向井さんにとって、リスナーはどういう存在ですか。

それこそ『#むかいの喋り方』で好きになってくれた人も結構多くて、良い意味で「今までそういう人だと思ってなかったです」っていう反応が届きます。それまでは、ゴリゴリのお笑い好きな方からはちょっと敬遠されるというか、「なんかパンサーはなぁ…」っていうような存在ではあったと思っていて。でも、そういう人たちが『#むかいの喋り方』を聴いて「思ってたのとちょっと違うな」って思ってくれて、ネタコーナーとかにもガッツリ送ってきてくれます。

さらに、『#むかいの喋り方』で「『パンサー向井のチャリで30分』が始まります」っていう話をしたこともあって、その人たちが『パンサー向井のチャリで30分』にもメールを送ってきてくれていて。なんか深いファンといいますか、結びつきが深いなと思いますね。

1回ラジオで結びつくと、「じゃあ、そっち(『パンサー向井のチャリで30分』)も応援してやろうかな」って思って来てくれてるのをすごく感じます。いつか、面と向かって会えるイベントができたらいいなってすごく思います。

――では、『パンサー向井のチャリで30分』での目標は、番組イベントを開催することになるんでしょうか。

そうですね。リスナーの人とイベントみたいなことを、ちょっと1回やってみたいなっていうのもありますし、「ニッポン放送でレギュラーを持ってる」って言い続けられるためにも、長く続けるっていうことは目標にしてます。

――最後に『パンサー向井のチャリで30分』の聴きどころ、「こういうところに注目すれば、より面白い」という部分があればお聞かせください。

毎回ゲストが来てくれるので、「この人ってこんな人だったんだ」っていう良い意味でイメージが変わる瞬間をどれだけ引き出せるか、というところですね。

あとは、若い女性ディレクターの方が、この番組をやってくれてるんですが、その人のセンスが独特で面白いんですよ。コーナーのアタック音とかも、「なんなのそれ? なんでそんな変な音を使うの」って、毎回ゲストが引っかかると思うですよ。もちろん菅さんも引っかかってましたし。僕はもうすでに癖になってるんですが、番組の根底にある良い“ダサさ”を癖になってもらってたら、より楽しめるんじゃないかなと思います。