――当時、これは忘れられないと思えた出来事があったら教えてください。

久保田:『鎧武』第1話放送直前の『獣電戦隊キョウリュウジャー』(10月6日放送/第32話)エンディングで「キョウリュウダンス」をやったんですが、そのとき思いっきりジャンプしすぎてスーツを破いたことですね。

高杉:ありましたね~! みんなで踊りました。

久保田:紘汰、戒斗、光実、舞といっしょに、なぜか貴虎がダンスしているんですよ。僕以外はダンスチームだからいいんだけど「なんで俺がここにいるんだ」と思ったよ(笑)。

高杉:でも、久保田さんがいちばん綺麗なジャンプでしたよ。

久保田:どうせ踊るのなら、思いっきり"面白いほう"に寄せたいと思って"真顔"のまま踊っていました。

高杉:ダンスしていた場所は、ヘルヘイムの森の近くの草むらでした。

久保田:懐かしいな。めっちゃ草が多いな……と思いながら踊っていました(笑)。

――1年間にわたるハードな撮影の中で、楽しみにしていたことなんてありましたか。

久保田:武部さんや望月さんに、ご飯を食べに連れていってもらうことです(笑)。ちょうど、撮影所の近くに美味しい焼肉屋さんがありまして、そこに行くのがいつも楽しみでした。今でも感謝しています!

高杉:ありましたね! 焼肉店の隣にビストロがあって、そこに虚淵さんを交えたみんなで行ったことも素敵な思い出です。またみんなで集まって食事に行きたいですね。

久保田:あとは、毎回のオンエアをみんな楽しみにしてたよね。放送が終わったあと、感想を言い合ったりして。

高杉:僕は共演者のみなさんとメイク部屋でくだらない話をしていたことが、とても懐かしく思い出されます。当時は撮影所からかなり離れたところに住んでいたので、毎日1時間くらい電車に乗って通っていたんですけど、朝からみんなと話をするのが好きだったので、ぜんぜん苦ではなかったんです。

久保田:『鎧武』メンバーは本当に仲がよくて、今でもLINEグループでつながっています。

――新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令された今年4月、自宅待機で辛い思いをしているファンの方たちを励ます意味で、『鎧武』レギュラーメンバーのみなさんがリレー動画に参加されましたね。紘汰役の佐野岳さんが音頭をとって動画が集められたとうかがっています。みなさんひとりひとり、心のこもったメッセージを発信してくださり、Twitterでも大いに話題になりました。これについてのお話を聞かせてください。

久保田:岳から声がかかったとき、みんな即答したんじゃないかな。「よし、やろう」と。

高杉:誰もがすぐ「やろう」って返事をしたんですよね。岳くんがみんなに連絡してから、すぐに動画が集まったって聞いています。

久保田:ひとりずつロックシードを構えて、次の動画へとリレーしていくんですが、こういう風に撮影すれば"つながって"見えるというテンプレートを僕が作りました。

高杉:あれ最高でしたね。「こういうセリフ、こういう動きがいいんじゃない」ってお手本を示してくださったんです。あのテンプレがなければ、どういう動画にするのかわからなかったかもしれないですし。

久保田:でも、僕の手元にたまたまロックシードがなくて……。コンビニに行ってメロンパンとかメロンジュースとか、アイスなんかを買ってきて動画を撮りました(笑)。

高杉:僕もロックシードがなかったので、代わりに斬月のTシャツを着てみました。ロックシードは以前、弟が欲しいと言っていたので実家へ送ってしまったんです……。紘汰、戒斗、光実、貴虎というように、キャストの動画が全部つながったものを観て感動しました。

――東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信が始まっているスピンオフ作品『鎧武外伝 仮面ライダーグリドンVS仮面ライダーブラーボ』は、Vシネマ『鎧武外伝 仮面ライダーデューク/仮面ライダーナックル』(2015年)以来5年ぶりとなる映像作品としてファンからの注目を集めていますが、この作品には久保田さん演じる貴虎も出演されると伺いました。昨年の舞台『仮面ライダー斬月 ―鎧武外伝―』(2019年)に続き、『鎧武』ワールドに参戦される久保田さんから、意気込みを聞かせてください。

久保田:主役はグリドン(城乃内秀保)とブラーボ(凰蓮・ピエール・アルフォンゾ)ですが、貴虎もわりとオイシイ役どころで出ています。真宙は『グリドンVSブラーボ』のこと、知ってた?

高杉:この間、(吉田)メタル(凰蓮役)さんから直接連絡が来て、教えてもらいました。今度の新作では、カッコいいブラーボの新形態も出るらしいですね。

久保田:2020年の今になって、まだ『鎧武』の新作が映像作品で作られることに驚きました。

高杉:本当にすごいですよね。

久保田:昨年に舞台をやっているので、僕的には1年に一度『鎧武』に関わっているような感覚ですね。時系列的にはテレビシリーズや舞台の"その後"を描いているので、貴虎もいろいろな経験を踏まえて、柔らかい印象になるよう演技に気をつけています。