――ダンスチームの勢力争いから始まった『鎧武』の物語は、ヘルヘイムの森やインベスの"秘密"が徐々に明かされたあたりから緊迫感を増し、やがて人類滅亡の危機にまでスケールが広がっていきました。アーマードライダーたちもさまざまにぶつかりあい、傷つけあう悲壮な展開となりましたが、ストーリーがこうなっていくとは、最初のころから聞かされていたのでしょうか。
久保田:なんとなく「こんな展開になりますよ」とは、プロデューサーの武部直美さんや望月卓さんから教えていただいたことがありました。最初は「子どもVS大人」の図式があって、そこからスケールが広がっていく……みたいな、大枠のことだけですけどね。
高杉:僕もそのようなことを聞いていました。最初は明るいムードがありましたけど、途中からどんどん重いストーリーになっていくよ、とか。
久保田:脚本を書かれた虚淵玄さんの作風といいますか、こういう方向性の作品を手がけている、というのを知っていたので、ある程度の心がまえはできていましたね。
高杉:僕も『魔法少女まどか☆マギカ』(虚淵氏が脚本を執筆)を観ていたのもあって、虚淵さんの書く「仮面ライダー」がどういうストーリーになるのか、すごく興味がありました。
久保田:そもそも僕が『まどマギ』を観てみたいと言ったら、真宙がDVDを貸してくれたんだよね。
高杉:DVDを持っていたので(笑)。
久保田:あのころはDVDソフトの貸し借りとか、よくやっていたよね。こういうとき7年という時代の流れを感じます。
――『鎧武』人気の盛り上がりを"実感"された出来事はありますか?
高杉:今だったらSNSで反響がすぐ返ってきたりしますけれど、『鎧武』の放送当時、僕たちが"すごい人気なんだな"と感じたのは、キャストトークイベントや映画の舞台挨拶でファンの方々と直接お会いして、ものすごい声援をいただいたときに実感しましたね。
久保田:放送当時、街を歩いていたらお巡りさんの"職質"を受けたんです。そうしたら僕の顔をじっとみて、何を言うのかと思ったら「この間、弟さんにスイカ(ロックシード)盗まれてましたよね」(第6話)って(笑)。そのとき、『鎧武』はこんなにもいろいろな人から観られていて、愛されているんだなあって思いました。
高杉:そのお話、久保田さんから聞いたことがありますよ。あまりにも衝撃的なエピソードだったから、よく覚えています(笑)。
――ファンの方たちから送ってもらったプレゼントの中で、特に印象的なものは何でしょう。
久保田:斬月のモチーフである「メロン」にまつわるものをよくいただきました。ありがたかったですね。
高杉:僕も、龍玄のモチーフ「ブドウ」に関連したものをいただくことが多かったですね。ブドウ型のキーホルダーとか、ブドウのジュースをいただいたこともありました(笑)。
久保田:メロンそのものもいただいたことがありました。めっちゃ大きな箱に入って送られてきたんです。
高杉:それはすごいですね! 僕がいただいたプレゼントで心に残っているのは、小さな子が描いてくれた龍玄のイラストです。一生懸命描いてくれたんだなって思うと、うれしくなりましたね。
久保田:綺麗なイラストを描いてくださる方たちがたくさんいましたね。作品やキャラクターへの深い愛情を感じました。