情報整理はGoogleの十八番だが、実は米国ではすでにRokuという企業がコネクテッドTV市場で大きなシェアを獲得している。
Rokuは、手頃な価格帯のストリーミングデバイスとスマートTV向けのOSでインストール・ベースを地道に増やし、一方でコンテンツに関して、コンテンツパブリッシャーと競争しない中立な立場を宣言し、あらゆる動画ストリーミングサービスにRokuからアクセスできるようにした。
近年の動画ストリーミングサービスの視聴時間の増加、それに伴って拡大するコネクテッドTV向け広告がRokuの成長を加速させているのだから、Googleとしては看過できない。まずはコネクテッドTVでGoogleを使うユーザーを増やすこと。だから、動画ストリーミングに「Google検索の体験」の提供なのだ。
Google TVは、まずドングル型の「Chromecast with Google TV」に組み込まれる。初代のChromecastは35ドルと安価で気軽に試せたため、スマートフォンやPCと組み合わせたテレビへのストリーミングの普及に大いに貢献した。
新Chromecastはリモコンが用意され、スマートフォンやPCがなくても使用できる。そして価格は49.99ドル。Google TVやStadiaに興味がある人に「試してみたい」と思わせる価格に抑えた。
そして、「Google Playムービー&TV」アプリを置き換える形でモバイル端末でも利用できるようにする(米国では30日に提供開始)。Googleはスマートテレビ向けにAndroid TVというプラットフォームを提供しているが、Android TVのパートナーのテレビでもAndroid TV OSを基盤にしながらインターフェイスをGoogle TVに変えていく。
今後はGoogle TVを搭載するスマートTVを増やし、コネクテッドTVでのコンテンツ探しもGoogleが便利と言われるようにエコシステムを拡充していくことになる。コネクテッドTVのシェアを地道に伸ばしていく、数年規模の取り組みになる。