[質疑7]新生ドコモの会社規模は?

新生ドコモの会社の規模はどのくらいになるか、NTTコムをドコモに移管することは簡単かという質問について、澤田社長は次のように回答しました。

「いまコムは『NTT, Inc.』の支配下にあります。インクの下からドコモに移管することは可能な話です。ではコム、コムウェアをドコモグループにしたらどんな会社になるか。競争環境が固定通信、移動通信ともに融合してきました。上位のGAFAから通信分野にも浸透がある。これから、その傾向がさらに大きくなります。違うプレイヤーも市場に参入してくるでしょう。したがって総合力を高めないといけません。できれば国内から海外にも展開したい。そこで、ドコモに総合的なプレイヤーへと広がってもらう。コム、コムウェアで1兆円以上の収入があります。ドコモは4.7兆。だから6兆円を超える企業規模になります。ドコモがNTTグループの中核として値下げも行い、良いサービスを出し、市場でも戦い、研究開発も進めていく」。

吉澤社長は「中期戦略の指針を変えるつもりはなく、事業計画も達成したい。料金の値下げ議論もありますが、お客様に使いやすいサービスは継続的に考えていきます。企業として成長し続けなくてはいけない。まずは強力なネットワークの構築、メンテナンスの効率化。そしてコストを削減する。サービス、ソリューションの質を上げていくのが大きな狙いです」と話しました。

[質疑8]「NTTデータを子会社化しない」の意図は?

会見のなかで、澤田社長は「NTTデータは子会社化しない」と明言しました。

この意図について聞かれると、澤田社長は「NTTデータはシステムインテグレーション、コンサルティングなど、通信業から見るとIT中心の上位レイヤーの仕事をやっています。事業のオーバーラップは少なく、独立的に動ける。いま事業の4割は海外で、世界に向けて開いておいたほうが良いという考えもある。現在の上場を続けたほうが、世界のステークホルダーに理解も得やすい。そういう考えで上場の廃止はしません。株価に影響は与えたくないので、そこは明確に説明しました」と回答しました。

[質疑9]完全子会社化で解決する課題は?

経営のスピード感という観点で、どんな課題を解決していけそうか、という質問について、澤田社長は「意思決定を迅速化できます」と回答。「ステークホルダーが違うと、議論の幅が増える、つまり時間がかかる。100%子会社と親子上場の違いは、ガバナンスのスピードが変わることと認識しています」(澤田社長)。

吉澤社長は「分社してから経営の独立性は保ってきたわけですが、どうしてもある部分においては、NTTグループと少数株主との間の利益相反、独立性の確保という点においての制約はあったと思う。それを回避して、迅速で円滑に連携できる、意識決定できるのが大きいと思います」。