アップルが、9月18日にスマートウォッチの新製品「Apple Watch Series 6」と「Apple Watch SE」を発売しました。販売が継続されることになった「Apple Watch Series 3」も含めて、いま購入するならどのモデルを選ぶのがベストなのか考えてみたいと思います。
Apple Watchを使い続けてきた人なら「Series 6」が断然おすすめ
ずっとApple Watchを使ってきた人や、いつも最先端のガジェットを追いかけている人には、メインストリームとして堂々たる進化を遂げた「Apple Watch Series 6」が断然おすすめです。
アルミニウムケースのモデルには新色のブルーとProduct RED(レッド)が加わり、ステンレスケースのモデルはグラファイト(ブラック系)とゴールドのカラーがリフレッシュされました。アップルのデバイスが好きな人ならば、ひと目で新しいApple Watchであることが認識し合えて会話も弾みそうです。
Series 6には、新しく血中酸素ウェルネスアプリが搭載されました。ユーザーの血中に取り込まれている酸素のレベルを装着したApple Watchで簡単に測定し、一般的なウェルネスとフィットネスの用途に役立てられる機能です。
アプリを起動後、メニューにしたがって約15秒間の測定を行うと、Apple Watchの画面に酸素のレベルがパーセンテージで表示されます。Apple Watchを身に着けていれば、バックグラウンドで一定のインターバルを置いて測定を続けるので、その推移をヘルスケアアプリから日・週・月・年間単位で見える化できます。
筆者は、今のところジョギングなど日常的なトレーニングの成果を目安として知るために使っています。Apple Watchの心拍数やアクティビティアプリのように、血中酸素ウェルネスセンサーが取得したデータを読み出して、成果を分かりやすく示してくれるウェルネス・フィットネス系のサードパーティーのアプリとの連携を期待したくなりました。
Series 6とSEの違いには、心電図および不規則な心拍の通知機能にかかわる電気心拍センサーの有無があります。ただ、どちらの機能もまだ日本で利用できません。今のところ大きな差として実感することはないでしょう。
S6チップ搭載による基本性能に差が出る
筆者がApple Watchを使い慣れている人にSeries 6をおすすめする最大のポイントは、アップル独自開発による最新のSIP(システム化されたICチップ)である「S6」を搭載したことです。S5チップを搭載するSEやSeries 5と比べてアプリの起動全般がスムーズになり、内蔵バッテリーの充電スピードが速くなっています。毎日使い続けると快適さの違いに気が付くでしょう。
内蔵バッテリーの充電スピードについては、残量ゼロの状態から100%までチャージするために必要な時間が、Series 5よりも1時間短い約1.5時間になりました。フル充電まで持って行く間のチャージスピードも速くなっています。
watchOS 7に新規追加された睡眠アプリによるスリープトラッキングを利用する場合、ベッドに入る前後のタイミングをApple Watchの充電に充てる使い方が最も効率的です。限られた時間にApple Watchのバッテリー残量をいつも不安のないレベルにまでリカバリーできれば、毎日不安なく使えそうです。
S6チップは、バッテリーの駆動効率も賢く制御するチップです。電力を多く必要とする箇所やタイミングを把握しながら、不要な場面ではなるべく電力消費を抑えることによって、SEやSeries 5よりも内蔵センサーの数を増やしつつ、同じ最大18時間の連続駆動を実現しています。
最たる効果は、Series 6が搭載する常時表示Retinaディスプレイの視認性が高まるところにも顕在化します。ディスプレイの設定から「常にオン」を選ぶと、手首を下げたときにバッテリーの消費を抑えるため秒針など画面の表示を減らして明るさを少し落とします。Series 6は、画面を明るい状態で維持したままバッテリーの減りを抑えられるので、特に昼間の晴天環境下でも画面が見やすくなることが実感されます。
S6チップが搭載されたことにより、手首を返した時に全灯表示にパッとより速く切り替わるようになったと感じます。ジョギングしながらApple Watchの画面をチラ見する時などのストレスが軽減されるでしょう。