本作は配信ドラマだが、ここ数年でデジタル配信が広まり、特に今年はコロナ禍ということもあり、多くの人が利用するように。
香取は、デジタル配信について「好きですよ。僕もステイホーム期間にいろんなコンテンツを見ました」と話し、「今回の作品は、三谷さんと僕で挑戦した新しいデジタルコンテンツですが、(撮影では)目の前にお客さんがいてアナログなところもあり、シットコムという昔からある素晴らしいものを、デジタル配信という新しい形にしている。これをシーズン1とするならば、これからもっともっとやっていきたい」とシリーズ化への意欲を見せた。
一方、三谷氏は「僕は古い人間ですから」とまだ慣れない部分もあるようで、「初めてAmazonさんで配信ドラマを作らせていただき、驚くことばかりでした。テレビの場合は来年の何月のシーズンでやりたいというのがあり、それに向けてキャスティングして本を書きますが、今回それも決まってないなかで作り始めて、本当にみんなの目に触れるのだろうかと常に不安と戦っていました」と告白。「一応30分だけど少し伸びても構わないと言われたのも新鮮で、何もかも新しい世界でやらせていただいている感じがとても楽しかったです」と振り返った。
コロナ禍において、エンターテインメントについても改めて考えたという。三谷氏は「リモートドラマやZOOM演劇など、いろんなジャンルが増えるのはいいことだと思うし、それぞれ魅力的で面白いと思いましたが、最終的に何が一番大事なのかというと、そこで描かれる物語の面白さに尽きるなと。結局そこに立ち戻りました」と、原点を再確認したようだ。
さらに、「どんなに新しい受け皿ができたとしても、話が面白くなかったら面白くないんだと、当たり前のことに改めて気づきました」と強調。「その思いは今回の『誰かが、見ている』にもすごく反映されている気がしています。これがどんな形で皆さんの目に留まるかは置いておいて、僕らがやるべきことは魅力的な物語を作ることなのだと改めて感じました」と語った。
香取もコロナ禍にいろいろなことを考えたという。「けっこう気分沈んでしまって。稲垣(吾郎)さんと草なぎ(剛)さんと3人で、ファンミーティングというイベントで全国を回るはずでしたが全部なくなり、4月29日にはさいたまスーパーアリーナでソロライブを予定していてすごく楽しみにしていたので、それもなくなってしまい下を向きそうになった時間がありながらも、自分の人生、仕事、エンターテインメントのこれからについて考えました」と打ち明けた。
また、「けっこう人との付き合い方が近い。仕事の打ち合わせでも、足を運んでわざわざ会いに行って直接話したかったり、感謝を表したいときに握手させてもらったり、今思うと僕、すごく密なんですよ。あと、人と話すとき目を見て話したい。マスクをしていると目は見えても表情が見られない。マイナスなことが多く、最初はつらかったです」と告白。
「でも今は、対応していかないといけないなと思うようになりました」と言い、「三谷さんが舞台をやっているというニュースを見て、僕の背中を押してくれるものがありました。どうしていったらいいんだろうと滅入っているときに、コロナ禍でも三谷幸喜さんは劇場で舞台を作ろうとしている。前に進まなきゃいけないんだと思わせくれました」と、三谷氏の情熱に力をもらったと明かした。
そして、三谷氏とともに作り上げた新しい形のシットコムである本作を「最高です!」とアピール。2002~2003年に放送されたドラマ『HR』(フジテレビ)でも、三谷氏とともにシットコムに挑戦したが、「あの頃からすごく好きで、もっともっと日本でいろんなシットコムが生まれるんだろうなと思いましたが、そうはなっていない。そんな中でAmazon Prime Videoという新しい場所でまたやれた」とシットコム再挑戦の喜びを語り、「完成した作品を見ましたが、もう2周目に。自分の作品で、見終わったあとまた1話から見始めるなんて今まであまりない。配信開始したらまた見るだろうし。だからみなさんにも、1回と言わず何度も、好きな回を見つけるように見てほしい」と呼びかけた。
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