主人公・舎人を演じた香取は、「三谷さんとご一緒させていただいくときはいつも、(脚本を)読む前からワクワクする」と言い、三谷氏が「読む前からやると決めていた?」と尋ねると、「もちろん」と即答。「読んでも楽しく、読み終わったら次の話が読みたいなとか、完成したものを見ても、もう見終わっちゃったなって、常に早く次が見たいと思わせてくれる。ワクワクがずっと続いている」と三谷作品の魅力を語った。

その上で、「三谷さんとご一緒するときは振り回される役が多かったのですが、今回は振り回す役。最初台本を読んだときに『裏に何かテーマがあるのか』と悩みました」と本作での戸惑いを告白。「でも、引っかけではなく本当に振り回す役だとわかり、だんだん爆発していけたのですごく楽しかったです」と、徐々に舎人を作り上げていった。

三谷氏は、強烈キャラの舎人を見事に演じた香取を絶賛。「こんな風になるといいなと思って作ったものを、僕の思い通り、もしくはそれ以上にやってくれる俳優さんという意味では、本当に得難い人。特に今回、舎人真一の一人芝居が多く、台本で書ききれずその場で作った部分もありましたが、これだけきちんと僕の思いを瞬間的に理解して表現できる、理解力と表現力がどちらもパーフェクトな俳優さんは香取さんしか知らないと言っていいくらい」と語った。

さらに、コメディアンとしての才能にも太鼓判。「第1話では、香取さんがソファの位置をずらすシーンがあり、ソファの隙間に手が挟まって抜けなくなり、抜こうとしているともう1本の手も挟まって……。このシーンは現場で香取さんと一緒に考えたシーンで、香取さんが『手が挟まるのはどうですか?』と言ってくださって、そこから広がってあのシーンができました」と、1話のシーンを取り上げた。

そして、「このシーンこそ、本当に力のある人じゃないとできない。ソファに手が挟まったというだけで3分くらいやっているんです。もちろん本当に挟まっているわけではなく芝居。本当に挟まっているように見せ、しっかり笑わせて、1人で3分間もたせることができる俳優さんは本当に少ないと思う」と称賛。「志村けんさん、香取さんくらいじゃないかと、そんな感じさえしました」と志村さんと並べ、「喜劇俳優として全幅の信頼を置いています」と話した。