歌舞伎俳優の歌舞伎の世界にとどまらず、テレビや映画などでも活躍している愛之助。一躍お茶の間の人気者へと押し上げたのが、まさに2013年の『半沢直樹』だ。
愛之助は「不思議なご縁でご紹介いただいた福澤監督とご一緒した3作目が『半沢直樹』で、直々にお声をかけていただきました。オネエ口調のキャラクターだったのでいろんなことが頭の中を駆け巡りましたが、様々な思いがあって声をかけてくださったと思うと、どうなっても全力で頑張るしかないと腹をくくって受けた役なんです」と出演を決意した当時の心境を告白。
相当の覚悟をしたという愛之助だが、うなぎのぼりの視聴率で社会現象化すると、称賛の声が届くように。「高視聴率のすごさを初めて感じさせていただいたのもこの作品で、街ゆく方々がみなさん僕のことをご存じなわけですよ。『あ! 黒崎だ!』って。片岡なんですけど、ドラマのイメージが強すぎて。また、どこに行っても『オネエだったんですか?』って質問がすごくて、それだけ本当に多くの方々が見てくださっているんだなと感じました」とうれしそうに振り返る。
ブログのコメント欄にも黒崎への反響のコメントが多く寄せられ、さらに、「黒崎さんの歌舞伎が見たい」とコメントした人たちが、実際に歌舞伎を見に来てくれたという。
「歌舞伎を見てくださった方から『黒崎さんかっこよすぎてびっくりしました』、『歌舞伎ってこんなにわかりやすかったんだ』などとコメントをいただきました。黒崎ではなく、片岡愛之助が歌舞伎をしているのですが、みなさんの認識では黒崎さん。どこまで行っても僕は黒崎なんだと思い、そこにこのドラマの影響力のすごさを感じました」と笑った。
そして、「僕はそもそも、1人でも多くの方に歌舞伎を知ってもらいたいと思って映像作品への出演を始めたんです」と愛之助。「自分がやってきたことは間違いではなかったと証明できたのがこの『半沢直樹』で、人生の一つの分岐点、ターニングポイントになった作品ですね」としみじみと語った。
愛之助が役者人生をかけて挑んだ黒崎役。9月13日放送の第8話では、その黒崎が大きな山場を迎える。
愛之助は「黒崎駿一は真面目で、ちゃんと仕事をしている人なんです。半沢と対峙するので悪役と思われがちですが」と、自身の黒崎という人物への想いを伝えた上で、「どの業界でも、どの世界でも、巨大すぎて逆らえない権力がある。それにどう立ち向かっていくのか、そこを見ていただけたらと思います」と視聴者にメッセージを送った。
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