会社勤めをしているビジネスマンの中には、フリーランスになって自分のやりたいことを実現させたい、と夢見ている人もいるはず。でも、いざとなるとなかなか踏み出せなかったりするものだ。そんな人に知って欲しいのが、フリーランスの女子プロレスラー・松本都だ。
“みやここ” の愛称でプロレスファンに知られる彼女は、プロレスと音楽をミックスしたイベント「みやここフェス」をたった1人で主催したり、DDT協力のもとに開催される「崖のふち女子プロレスの大会で活躍するなどしている。主催イベントでは、大会開催に伴う業務は可能な限り自分で行っているという。また、現在クラウドファンディングにて、初めてのオリジナル入場曲制作&CDリリースプロジェクトも実施するなど、小柄でかわいらしいビジュアルからは想像できないほど、バイタリティに溢れた人物だ。
今回、イベント開催前と当日の流れでどんな仕事をしているのか等々、フリー・プロレスラーのビジネスの仕方について教えてもらった。
元々はプロレスラーにまったく興味がなかった
――現在、都さんはプロレスラーとしてどんな立場で活動しているのか教えてください。
都:もともと、「崖のふちプロレス」という団体を1人でやっていたんですけど、2019年末にDDTプロレスリングの高木三四郎社長に事業譲渡して、そのブランド(崖のふち女子プロレス)の大会だけはDDTさんとやっています。それ以外は、完全にフリーランスとして、1人でやってます。
――そもそも、どんなきっかけでプロレスラーになったんですか。
都:プロレスはまったく見たことがなくて、興味もなかったんですよ。私は演劇の大学を出たんですけど、その中でテレビ埼玉の番組と映画とCDのまとまったオーディションを見つけたんです。それが、前に所属していた「アイスリボン」というプロレス団体の社長が開催していたオーディションで、プロレス映画、プロレスバラエティに出るために、実際の世界でもプロレスデビューしようという企画だったんです。それをきっかけにプロレスラーになったんですけど、テレビ、映画に出たかったので、もしかしたら騙されてるのかもしれないけど、後先考えずに飛び込んでみようというか(笑)それが最初のきっかけで、12年前です。
――そのときは、実際にリングに立ってみてどうでした?
都: やってみたら、思っていたとの違って楽しくて。プロレスって、承認欲求とかが満たされるジャンルなんですよ。結構ストレスも発散できるし。芸能の仕事と違って定期的に試合もあるし、収入の面でも良いなと思いまして、気が付けば12年も続けてしまいました(笑)。
――12年も続けてこれたというのはそれだけ魅力があったということですよね。
都:そうですね。プロレスって、ただ強い人だけが輝ける世界じゃなくて、負けた人が人気出たりスポットが当たることもあるところが良いなと思って。私は正統派じゃないところでやってるんですけど、そういう人も輝けるというか、本当になんでもありなんですよ。なんでも受け入れてくれる多様性が良いなと思ってます。