物理キーの入力はグッド! 親指でも打ちやすい

いよいよ本機最大の特徴、キーボードに迫っていこう。F(x)tec Pro1の「画面自動回転」設定は、標準でオフになっているが、キーボードを引き出すと強制的に横画面になる(正確にはキーボードを引き出すと強制横画面にする設定があり、標準でオンになっている)。

  • Sliderはキーボードを引きだしたときの動作に関する設定。キーボードを引き出すと横画面にして、キーボードバックライトを点灯する設定になっていた

  • 本体を開いたところ。英語配列なので、@キーが独立していない。gboardの設定を109Aキーにすれば日本語配置になるが、並びが少々変則的なので英語配列のままにしておいた方が無難だろう

本体は英語配列だが入力性は悪くない。キーボードを使う場合は机に置いて打つ形だけでなく、両手で持って親指で入力するスタイルも使いやすかった。また、キーボードを使わなくても、折りたたんだまま一般的なスマートフォンのように仮想キーボードでも使える。この幅の広さがF(x)tec Pro1の魅力だ。

パソコンでいうと、従来のクラムシェル型のノートパソコンではなく、必要に応じてキーボードを使う2in1タイプ、というイメージで捉えればいいだろう。Androidの操作を考えると常にフルキーを使用するわけではない。従来のフルキーボード付Androidよりも実用的な作りになっていると思う。

  • 両手で持ったところ。両方の親指でキーボードを押すスタイルでも使いやすい

PCライクに編集できるショートカットが魅力

日本語入力はローマ字入力なら問題なく、日本語入力で多い「」(カギカッコ)や句読点も専用キーがあるので入力しやすい。物理キーボードの設定を日本語109A配列にすると特殊文字の配列がキーボード印字と変わってしまうので、英語配列の設定のまま使うのがよさそうだ。

  • 物理キーボードのキーアサインは標準で英語だがローマ字入力なら問題ない

  • 日本語キー設定もあるが、特殊記号の配列が印字と変わるので変更しなくても問題ないだろう

使ってみて最もよかった点が、単純ながらコピペ操作。文章を引用する場合、一般的なAndroidスマホだと長押しでモードを変えて始点、終点をドラッグ、指定してコピーという操作が必要になる。

しかしF(x)tec Pro1ではパソコンと同じように、SHIFTキーを押しながらカーソルキーで範囲を指定し、Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Pでペーストできる。手元にパソコンがないけど、ある程度長い文章をちょっと編集したいという時に便利だ。

なお、キー数が多い事を生かし、キーの長押しであらかじめ登録したアプリケーションを起動する事もできる。スマートフォンはホーム画面によく使うアプリアイコンを置くものだが、必要なアプリが多いなら、本機の場合、キー長押しでの起動にしてもよさそうだ。

  • 単独キーの長押しでアプリを一発起動できる。ホーム画面やドロワーにフォルダを入れてタップするか、キー長押しのショートカットに割り当てるかは悩みどころだ(どっちも便利)

Androidスマホでもガッツリ入力したい人に

OSはAndroid 9.0で、最新バージョン(Android 10)のひとつ前。本機を作っているベンチャー企業、英F(x)tecがメジャーアップデートを提供してくれるかは少々微妙だが、9.0のままでも問題なく使えるので、セキュリティアップデートさえ提供してくれれば問題ない。

F(x)tec Pro1は通常のスマホよりも重い、ケースが付けられない(+高い)という欠点はあるものの、普段はタッチ操作のスマホ利用をしつつ、必要な場合はキーボードを出してガッツリ入力したいという人におススメできる製品だ。本機以上の入力性を期待するならば、きちんとした外付キーボードを使う方がいいだろう。

メモリやストレージ容量も十分でデータも多く格納できる。常時パソコンを持ち歩くほどではないが、たまにある程度の文章量やカット&ペーストをともなう作業を行いたいという人はぜひ検討してほしい。