ETF運用のテクニック
最後にETFを運用するにあたり、ためになるテクニックをご紹介します。
長期分散国際投資はリスクを軽減する
ETFは定期預金とは異なり、元金は保証されません。そのため「損をしたくないから」と投資に踏み出せない方もいるかもしれません。しかし、預金にもインフレや物価上昇が起こった場合、お金の価値が目減りするというリスクがあります。リスクゼロを目指すのではなく、あらゆるものに含まれているリスクを考慮しながら、できるだけリスク軽減を目指すことが大切です。
昔から投資を行う人の間では、リスクを軽減する方法として「長期国際分散投資」が選ばれてきました。投資期間を長くすることで、収益を確保する機会を増やせます。株や不動産、金のような商品に分けて資産を保有する「資産分散」や、さまざまな国の通貨に分けて保有する国際投資もこれに該当します。
「日経225連動型上場投資信託」のように株式に連動するETFのほかに、債券に連動するETF、REITに連動するETFがあります。また、日本だけでなく海外の株式や債券、REITに連動するもの、新興国の株式や債券に連動するものに分かれています。ETFは数万円程度で長期国際分散投資が可能になる商品です。身近な日本株式に連動するETFから始めて、慣れてきたら少しずつ海外株式や債券、REITにも目を向けるのもいいでしょう。
NISA口座でETFに投資する
NISAは先に述べたように、投資で得た利益に対する課税を非課税にする制度です。通常では分配金や売却によって利益が出ても、約20%課税されるため、実際に手に入るのは利益の8割弱になってしまいます。それが年間120万円以下の投資額であれば非課税になるのですから、小口投資家にとってはありがたい制度です。
NISAを利用するためには、非課税口座を開く必要があります。非課税口座は銀行でも証券会社でも開くことはできますが、銀行ではETFは購入できないため、証券会社で開設します。口座開設にはマイナンバーと本人確認書類が必要になるため用意しておきましょう。
すでに証券会社で口座を開設している場合は、その証券会社のWebサイトに行き、NISA申込の手続きをします。
フォームに入力し、マイナンバーと本人確認書類をアップロードすれば、あとは税務署の審査を受けて、NISAの口座を開設することができます。
お金との関わり方を考えよう
これまで多くの日本人にとって「お金を貯める」というと、節約し、貯金することが常識となっていました。しかし、給料が上がることもそこまで期待できず、銀行に預金したとしても超低金利時代の今、将来のことを考えれば、運用について真剣に検討する必要があります。
ETFはこれから投資を始める方に向いている金融商品です。株式と同じように売買でき、しかも1万円程度の小額から始めることができます。また、株式のような破綻のリスクもありません。日本の株式に連動するものだけでなく、外国の株式や債券、REITに連動するものを含め、多くの種類のETFがあるので、慣れてきたら少しずつ手を広げることも可能です。NISAを利用すれば、売却利益や分配金を非課税にすることもできます。
簡単に運用できるETFから、投資の第一歩を踏み出してみませんか?