「手洗い検出」で自分の洗い方を検証してみよう

「ワークアウト」の種目には新たにダンス、コアトレーニング、機能的筋力トレーニングなどが加わりました。コアトレーニングは体幹を中心に鍛え身体バランスを高めるトレーニング、機能的筋力トレーニングはリハビリや予防トレーニングに近い発想で効率的・機能的な身体の使い方を身に着けるトレーニングです。種類によってはYouTubeをインストラクターに自宅でも実践できそうです。

また、Apple WatchではなくiPhone側(iOS 14)の変更になりますが、「アクティビティ」アプリの名称が「フィットネス」になりました。中身は従来と同様、アクティビティリングとワークアウトの記録、トレンドやバッジの表示などですが、配置が変更され、今の状態を総合的に俯瞰しやすくなっています。

  • iPhoneの「アクティビティ」は「フィットネス」に。「ワークアウト」にダンスなどが追加。ちなみにメニューの「その他」には「遊び」「フィットネスゲーム」なども入っています

少々変わった新機能「手洗い検出」にも触れておきましょう。これは水の音や手の動きから手洗いを自動的に検出し、20秒のカウントダウンを開始。終わると音と振動で通知してくれるというものです。ただ、洗っていると意外と通知に気付きません(ミュート時は特に)。20秒以下だった場合は手を拭く頃に通知されるので、洗い直しはできそうです。

  • 米CDCの推奨する方法では、20秒は「石鹸をつけてこする」長さ。カウントダウンが終わってから洗い流すのが正しいようです

微妙に煩わしさはあるものの、「20秒がどれくらいか」を体感してみる機会にはなります。洗い方を意識する意味で、何度か使ってみてもいいのではないでしょうか。

堅実にアップデートした今回、次に必要なのは?

新機能を意識しながらの1週間、比較的堅実な幅のアップデートであると感じられました。睡眠記録は生活リズムに影響しましたが、OSそのものの使用感に大きな変化はありません。

むしろ、正式リリースの際はiOS 14の大変革(主にホーム画面とウィジェット)に戸惑うユーザーの方が多いのではないかと予想します。筆者も数日迷走しました。両方ともアップデートの段差が大きいとユーザーにとって負荷になりますから、その意味でもwatchOSの変化の幅は妥当なものだと言えるでしょう。

ただ、「Apple Watchって何ができるの? 」という質問に簡潔に答えることがより難しくなったとは思います。OSからは少し逸れますが、睡眠記録のような「体験」で得る価値を既存ユーザー以外に伝えるコミュニケーションは、構築が難しいと思います。機能だけ説明しても伝わらない価値を伝える——Apple Watch誕生以来の課題に対してAppleがどんな手を打つのか、今後注目したいポイントです。