サービス業で役立つ「クレーム対応のコツ」6選
ここからは、クレーム対応の際に使えるコツを6つご紹介します。コツをつかんで上手なクレーム対応法を身につけましょう。
コツ1:事実確認を行う
コツの1つ目は「事実確認を行う」ことです。バースデーケーキの注文を受けていたのに、間違えて別のケーキを渡してしまった場合を例に紹介しましょう。
間違えたケーキを渡されたことに気づいた顧客が、慌ててケーキ屋に電話をしたものの、状況を理解できていないスタッフは「では交換するので取りに来てください」と冷たく伝えてしまいました。
この状況をどう思いますか? 顧客は「せっかくの誕生日が台無しになった」「不親切なことを言われた」と怒ってしまうかもしれません。「謝れ」と要求する可能性もあります。では、電話がかかってきた際に、スタッフはどういった行動をとるべきだったのでしょう?
この場合、まず必要だったのは事実確認でした。
電話があった際、第一に「何が起こっているのか」「相手はどのような不満を感じているのか」「問題点は何か」「相手は何を望んでいるのか」といった事実を確認できていれば、適切な対応ができたはずです。
また、こういった状況では、メモを取っておくことも大切です。記録を取っておくと、事実確認の際に、「言った」「言わない」のトラブルを避けられます。
コツ2:相手の気持ちを理解する
コツの2つ目は相手の気持ちを理解することです。感情的になっている相手に対して、冷静に適切に対応するには相手の心情を理解することは欠かせません。
先ほどのバースデーケーキの例ならば、お詫びの言葉を述べる際に、「大事な日にも関わらず、申し訳ございませんでした」など、相手の状況に寄り添う一言を加えられるとよいかもしれません。
コツ3:相手の興奮を静める
コツの3つ目は相手の興奮を静めることです。クレームを伝えてくる相手は、不快な状況に置かれ、強いストレスの中にある可能性があります。そんなときは、まずはその興奮を静めることを優先しましょう。
そのためには相手の話をよく聞き、相手の気持ちに寄り添い心からお詫びすることが重要です。
コツ4:解決策を提案する
コツの4つ目は、解決策を提案することです。解決案を提案する際には、一方的に提案するのではなく、相手に最大限の誠意を伝えることが重要です。ただしその際、金銭要求など、相手が無理難題を求めてきたときにそのまま応じてしまうことは避けましょう。
無理な要求に対してはクッション言葉を使って「できかねます」と伝えることも大切です。解決策はあくまで「常識の範囲内」で提示するようにしましょう。
コツ5:感謝を伝える
コツの5つ目は、クレームを伝えてくれた相手に感謝を伝えることです。顧客の話を傾聴し、解決策を提案したら終わり――ではありません。クレームを伝えてくる相手は、自社商品・サービスに対し「期待外れだった」と感じているので、その理由を顧客から直接聞ける機会は貴重です。
クレームを受けたら、相手が不満に思っている点を「貴重なご意見」と受け止め、感謝の気持ちを伝えることが重要です。まずは相手に適切に謝罪し、次に貴重な意見に対する感謝の気持ちを伝えると、顧客は再び自社を信頼してくれる可能性があります。
コツ6:社内で共有する
コツの6つ目は、クレームの内容を社内で共有することです。クレームは会社の「財産」と言えるほどに、価値のあるものです。顧客は自社のサービスの足りない点を「わざわざ」指摘してくれているのです。受けたクレームを改善できれば、より良いサービスが提供できるようになることでしょう。
クレームを受けたらまずやるべきことは、それを一つのケーススタディとして社内で共有し、改善活動につなげることが好ましいです。