プロeスポーツチームがゲーム体験を監修
arrows 5Gが“ミリ波で最薄”とはいえ、モデムが一体型ではないSnapdragon 865では、必然的に筐体の大型化を避けることは難しい。ディスプレイはarrowsスマホで過去最大の約6.7インチ有機ELディスプレイを搭載している。
しかし、大型ディスプレイを搭載しつつも、上下方向の画面のベゼルをカットした狭額縁設計となり筐体サイズを抑えている。インカメラも画面右上の“パンチ穴”に押し込んだ。5Gの高速通信を生かし、大画面で音楽やゲームを楽しめるような設計となっている。
オーディオではサラウンドシステムのDolby Atomsをサポート。ゲームではクアルコムとの連携を生かし「Snapdragon Elite Gaming」の認証を取得した。これはモバイルゲーミングに適したスマートフォンの認証制度で、タッチパネルのチューニングや画面表示を最適化させていることを示すものだ。
arrowsでは初となる、eスポーツとのコラボも行っている。FCNTがモバイルゲームに強いeスポーツチーム「REJECT」のオフィシャルスポンサーとなり、arrows 5Gの開発時にもチームメンバーの監修を仰いだ。チームメンバーに試作機でプレイしてもらい、改善点を洗い出すことで、モバイルeスポーツの国際大会で使えるレベルの水準に仕上げたという。
さらにFCNTでは、「5Gゲーム」の開発に挑んでいることも明らかにされた。SEGA XD社との共同開発として、5Gの「高速大容量」と「低遅延」を生かしたゲームコンテンツの開発を検討しているという。
Photoshopとコラボした撮影モード
カメラではAdobeの写真編集アプリ「Photoshop Express」とコラボレーションした「Photoshop Expressモード」を搭載する。シャッターを押すだけで露出や色味を自動調整した写真を撮れるというモードで、くっきり、はっきり、鮮やかな写真になるという。フィルターをセットした写真も撮影可能だ。
スマホの標準カメラと連携する機能は、Adobeとしては初めての取り組みだ。モバイル向けの画像編集アプリの展開を強化したいAdobeと、カメラ機能を強化したいFCNTの思いが一致して実現したものだという。
Adobeはスマートフォン向けアプリを「誰でも使えるクリエイティブツール」として打ち出していく方針で、Photoshop Expressモードもカメラに詳しくない人が使いやすい機能に仕上げている。写真編集アプリの「Photoshop Express」もプリインストールし、コラージュや修正、写真へのテキスト追加といった画像編集にも対応できるようにしている。
ロック解除から1秒アプリ起動
arrows 5Gは前述の通り、ハードウェアとしてはクアルコムのリファレンスデザインに準拠している。そのため、これまでのarrowsシリーズで強みとしていた機能は取捨選択されている。
そのなかで、採用された機能が、「FAST」をテーマに操作を快適にする独自機能たち。指紋センサーは、arrowsで初めて画面内指紋認証に対応し、独自機能の「FASTフィンガーランチャー」を搭載している。指紋に紐付けたアプリをすばやく起動する機能だ。
また、OSのマルチタスク機能で特定のアプリを常にスタンバイさせておく「FAST Appドライブ」では、ゲームアプリなど重量級のアプリの起動を高速化できる。arrows 5Gをローカルサーバーとして機能させることで、データ通信を使うことなく他のスマホへ写真をシェアできる「FAST シェア」も搭載している。