――ちなみにこの食事を食べていたのは、江戸時代の中でも『尾張国の春日井郡に住む、貧困ではない自作農の20歳程度の長男の朝食もしくは夕食』を想定しつつ、アレンジを多めに加えました」ということでした。かなり限定的なんですね

「江戸時代は、現代のような全国流通網がなかったことと、貧富・身分の差がかなり激しかったので、全国で同じようなものを食べるということはありませんでした。どちらかといえば、地元のありあわせのもので米を食べるというのが主流で、例えば海沿いだと米の中にイワシが混ざっているとか、大根の葉っぱを混ぜるとか。

今回も、本当は麦入りの大根葉の混ぜご飯にしたかったんですが、あれ玄米と混ぜるとめちゃくちゃ美味しくないんでやめちゃいました(笑)。投稿を見た知り合いからは、『三河吉田藩下級藩士の夕飯的な雰囲気』と言われて、たしかにそっちの方がリアリティとしてはあったのかなあと」。

――今回のツイートが、大きな反響を呼んでいました。率直な感想はありますか?

「玄米2合がここまでのコンテンツ力を持っていることにまず驚きました(笑)。途中からリツイートが伸びはじめたときも、『いって500ぐらいかな』と思っていたんですよ。玄米2合炊いただけでここまで……」

――多くの人に、食文化に興味を持ってもらうきっかけにもなりましたね

「嬉しかったのが、当時の食文化に詳しい農家の方からもリプライをいただけたことですね。いろいろな人がああだこうだ言いながら知識を積み重ねていくことができました。それが玄米2合から生まれたというのが、見てて楽しかったです」。