先にご紹介した通り、AMDは動作周波数を若干引き上げたRyzen 3000 XTシリーズ3製品を7月7日より発売する。殆どのケースで動作周波数は100MHz、一部200MHz引き上げたものもあるが、大きくは変わらない訳で、これが性能にどの程度寄与するかを含めて、ちょっと試してみた結果をご紹介したい。
Ryzen 3000 XTシリーズについて
スペックは以前こちらの表1にに示した通り、定格動作周波数は変化が無く、Ryzen 5 3600XTとRyzen 9 3900XTはBoost時の動作周波数を100MHz、Ryzen 7 3800XTのみ200MHz引き上げただけとなっている。ちなみにTDPは一切変化なし。本国での発売価格も変わらない。更に言えば、このXTシリーズを発売後も、引き続き既存のXシリーズ(Ryzen 5 3600X/Ryzen 7 3800X/Ryzen 9 3900X)は併売する(価格改定も無い)、ということでいまいちXTシリーズの立ち位置が微妙な状況になっている。ちなみに国内での発売価格は
Ryzen 9 3900XT:59,800円(*1)
Ryzen 7 3800XT:46,800円
Ryzen 5 3600XT:29,200円
と発表されている(いずれも税別価格)。7月6日におけるAmazonの販売価格を見ると
Ryzen 9 3900X:58,999円
Ryzen 7 3800X:47,200円
Ryzen 5 3600X:29,978円
となっているが、これらが税込価格であることを考えると、実質的にはややXTシリーズの方が値段が高くなるのは、まぁ新製品である以上当然であろう。
加えて言えば、Ryzen 7 3800XT/Ryzen 9 3900XTに関して言えば、実質的にやや値上げとなる。というのはこの2製品にはCPUクーラーが付属しなくなるためだ(Photo01)。このためこの2製品に関しては、別途CPUクーラーを用意する必要がある。勿論最初から自前でCPUクーラーを用意する予定のユーザーには、使う予定のないWraith Prismがあっても仕方がない訳であるが、このあたりは新規に購入の場合は注意する必要がある。
さて、それではそんな訳で評価機材のご紹介。まずパッケージであるが、クーラーを内蔵しなくなった関係で、外箱のサイズが見事に不揃いになった(Photo02~05)。この外箱に寸法を合わせた結果、CPUを格納するブリスターパックまでサイズが異なる(Photo06)という状況になっている。
さて、Ryzen 5 3600XT(Photo07~09)、Ryzen 7 3800XT(Photo10~12)、Ryzen 9 3900XT(Photo13~15)とも、「起動したあとは」全く問題なく利用できた(このあたりの話は考察で)。
(*1) Ryzen 9 3900XTのみ、発売は2020年7月18日(土) 午前11時00分以降になっている。