今は大変だけど未来は明るいので、楽しい事をとにかく提案したい
――その後、昨年10月に50歳を迎えられたわけですが、何か思いを新たにしたことはありますか? 体力面や精神面で、20代30代の頃と最も違いを感じることはどんなことでしょう。
会社員時代に見てきた50歳、音楽業界で出会った50歳。そんな人たちと今の自分を比べてみると「威厳がないなぁ」と情けなくなります。若いバンドマンからはタメ口を使われるし、お客さんからは野次られるし。けどそれでいいと思うようになりました。今のお客さんがこの先も通い続けてくれる保証はないので、新しいファンを常に獲得していかなくてはいけない。だけど年齢やキャリアがそれを邪魔するんです。新しいお客さんが入り込みやすいフラットな雰囲気を作るためにも、これからも驕れることなく謙虚でいようと思います。
――2020年11月1日、大阪城音楽堂にて初の主催フェス「栗フェス2020」の開催が発表されて話題になっています。フェス開催に向けてのお気持ちを聞かせてください。
毎日ネガティブなニュースばかりが流れてきてうんざり。タイムラインからはイベント中止のアナウンスばかりで、新たな告知は皆無。今はみんな大事な人を守らないといけないくて、我慢ばかりしている。それでは心が病んでしまいます。事が終息した後は、我慢してきた分、自分のために思いっきり楽しもう。先に楽しいことがあれば頑張れると思うんです。今は大変だけど、未来は明るいので、楽しい事をとにかく提案したくて、栗フェスを企画し、あえてこの時期に発表しました。
――最後に、サラリーマンの方々、特に新社会人の方々へ向けてメッセージをお願いします。
今年の流行語大賞にもなりそうな「三密」にライブハウスはガッツリと当てはまり、早い段階から批判をうける対象となってきました。今回の件で、ライブハウスのイメージは更に悪くなったと思います。営業が再開したとしても厳しい状況が続くでしょう。世の中のほとんどの人はライブハウスに行ったことがないんじゃないでしょうか? 確かに暗くてうるさい場所です。ライブハウスも出演者も今回の件をきっかけに変わっていかないといけないと思ってます。明るく健全なイメージになるように努力していきますので、仕事終わりにでもブラッと遊びに来てください。メジャーのエンターテイメントとは違った面白さや味がありますよ。僕は自分の出番以外はだいたいフロアをうろうろしてるので「マイナビのインタビュー記事を見ました」って気軽に声をかけてください。何かあげます。