ビジネスマンはステイホームをどう過ごすべき?

――昨年の取材で、「休みの日に家にいても何をしていいかわからない」という方の相談に、「アイドルのライブに行ってみては」という回答をいただきました。今はそれもかなわない状況ですが、「仕事以外に生き甲斐がない」という方は、おうち時間をどう過ごせばよいでしょうか(人それぞれだとは思いますが…)。

僕の知り合いの50歳の男性は、緊急事態宣言以降、時間ができたので、音楽ソフトを買って音楽を始めました。全くの素人なんですが1週間足らずで2曲作ったそうです。今は素人でも扱える安いソフトがいっぱいあって、作品を誰でも簡単に世界に向けて発信できるのでいいと思います。音楽でなくとも、絵や詩とかでも誰かの目に触れて一人でも良いと言ってくれる人が現れたら続けていくモチベーションに繋がります。僕も15年間、売れて無いけどこうして続けているのは、良いと評価してくれる人が少しでもいるからです。

  • おうち時間のスギムさん。部屋にはCDがズラリ!

クリエイティブな事に興味が無いという方は、「オンラインキャバクラ」というのが密かに流行ってるらしいので体験してみてはどうですか? 携帯やパソコンの画面越しに女の子と会話して飲めるみたいです。一人で気軽に利用できるし、キャバクラ未体験の人もいいと思いますよ。

僕は何をしているかと言うと、こんな時じゃないと無理と思って髭を伸ばしてます。ある程度まで伸びたら、顔の右半分だけ剃ったり、変わった形に整えたり、自分の顔で遊んでます(笑)。

  • おうち時間はクリエイティブなことに時間を使ってみては? と提案するスギムさん。それか「オンラインキャバクラ」もおすすめとのこと

コロナ騒動中に開催した"クチパクライブ"に込めた思い

――2020年3月11日(水)大阪・堺FANDANGOにて行われた〈クリトリック・リス クチパクライブ〉はどのような思いで開催したのでしょうか。また、実際にやってみていかがでしたか。

ライブハウスでのイベントがどんどんキャンセルになっていく中、何とかしないとと考えて思いつきました。密にならないように入場者数も制限し、ステージから1メートル以上下がって、換気や消毒を徹底し、口パクライブを行いました。発表済みのCD音源ではなく、前日にスタジオに入って、MCも演奏も新たに録音した物を流したので、口パクなのにライブ感が損なわれる事なく盛りあがりました。このようなイレギュラーなライブをずっと続ける訳にはいかないけど、アイデアを出して模索していけば、コロナ騒動の中でもライブができるんじゃないかということを提示したかったんです。残念ながらその後、オリンピックの延期が発表され、感染者も増加し、志村けんさんが亡くなるなど、ネガティブなニュースが続いて、どんな形であれ、ライブをしてはいけないというような風潮になってしまいました。

大興奮で幕を閉じた、2019年「野音ライブ」の振り返り

――2019年4月20日 日比谷野外音楽堂「クリトリック・リス生誕50thイベント」は、自分もマイナビニュース編集部員も観に行き、とても感動しました。開催前は野音側との演出面での交渉等、準備期間も含めて大変なこともあったのではないかと想像します。それから約1年経ちましたが、振り返ってどんなことを思っていますか。

観に来ていただいてありがとうございます。こんなことを言うと「不謹慎」と言われるのでしょうけど、本当に去年でよかったです。僕個人が自腹で行った公演だったので、今年なら確実に中止で大赤字になっていたはずです。今まで何でも自分一人でやってきたんですが、野音ワンマンに関しては、相談に乗ってくれたり手伝ってくれる人がそばに居たので、大変なことはなかったです。楽しかったという記憶が全て塗り替えてしまってるのかもしれません。天候にも恵まれて当日券が凄く売れたのも良かったです。半分ぐらい埋まればいいと思ってたけど、結果いっぱいになりましたからね。

――当日はサラリーマン時代の同僚、部下の方も観に来ていましたか?

誘わなかったし誰も観に来てないと思います。僕が勤めていた会社では、ライブハウスに通ったり音楽フェスに行くような人は一人もいませんでした。パンイチで下ネタ混じりの曲を歌っていたこともあって、プライベートの音楽活動は隠しながら働いていました。

――すべて歌い終えて袖に下がった後に、エンディングSEのOasis 「Don't Look Back In Anger」が流れて観客の大合唱が起こる中、スギムさんが最後までステージに現れなかったのがとても印象的でした。バックステージでどんな気持ちで聴いていたのでしょうか。

いやぁ。ほとんど聴いてないというか、耳に入ってこなかったですね。ライブの後半、全席指定だったのに前方にみんなが押し寄せてきてたので、怪我人が出ないか心配でした。怪我人が出ず、トラブルも一切起こらずに終われたという安堵感。いいライブができたという達成感に酔ってました。