『有吉の壁』がレギュラー放送するのは、水曜夜7時台。在宅率の高い年配層を意識した生活や健康の情報を伝える番組が各局で編成され、ゴリゴリのお笑い好きな層には見られない時間帯…というのが業界の常識だ。
橋本氏も「僕も有吉さんも『日テレはとんでもないことを考えるな』ってビックリしました(笑)」というが、「7時台を若者がテレビを見ない時間帯だというのは固定観念ではないか。7時台は年配層しか見てないから、それに向けて番組を作ろうとテレビがやってきた結果、若い人が早い時間にテレビを見なくなっただけなのではないか」、ということらしい。
「だから、今回は7時台でお笑いをやってもよいのではないか…という壮大な実験をやろうと思って、有吉さんもそれを考えて引き受けてくださったと思うんです。テレビを作りたいとか、テレビに出たいと思ってくれる人が減っている中で、やっぱり『こういう番組を作りたい』『こんな番組に出たい』と思ってもらえる番組がいっぱいあってほしいし、『有吉の壁』はそういう番組でありたいんです」
有吉も、自身のラジオ番組で「これがもし失敗しても『ゴールデンでお笑いやるのもありだなっていう気づきを与えるかもしれないし、『“有吉の壁”は失敗したけど、あそこを直せば良かったんじゃないか』っていう人も出てくるだろうし、『有吉の壁』がまあまあ調子よく続くようであれば『うちの局でもああいうお笑いやってみるか』ってなるかもしれないからね。だから、こういうのは若手・中堅芸人のために1回引き受けなきゃいけない仕事だなと」(JFN系『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』2月9日放送)と、使命感を語っている。
自身もかつて、『内村プロデュース』(テレビ朝日)で再ブレイクを果たした経験があるからか、とにかく芸人たちの将来を見据えているようだ。
■芸人×スタッフの高い熱量
「有吉さんは『もし内容が変わるようなことがあったら、それは番組が終わるときだ』とも。放送が始まって3~4回で中身が変わっちゃう番組もいっぱいあるのに、そう言い切るって痛快ですよね(笑)。でも、そんなメッセージを発してくれるのはありがたいです」といい、「『レギュラーになったらトーク番組になるのでは?』と言われることもあるんですけど、今までと全く変わらないです。意地を張ってお笑いをやっていきます」と決意を示す橋本氏。
その思いはスタッフにも共有されているそうで、「今、テレビでお笑いをやれるチャンスが少ないので、『笑いがやりたいんです』っていうスタッフが集まってきてくれて。芸人さんとスタッフの熱量が合っていなかったら面白いものができないと思うので、すごくうれしいですね」とモチベーションの高さが伺える。
「『有吉ゼミ』でもタッグを組む横澤(俊之)Pをはじめ、プロデューサー陣もお笑い愛が本当に強くて、芸人さんの希望をかなえるべく、全力で調整してくれます」