注意点1:無制限の「楽天回線エリア」はまだ限定的
まず1つ目の注意点は利用できるエリア。楽天モバイルのサイトにエリアマップが公開されているのでそれを見ればわかりますが、楽天モバイルが自らがアンテナや基地局を設置している「楽天回線エリア」は、まだそれほど広くはありません。東名阪のほか、神奈川、千葉、埼玉、神戸、京都とかなり限定的で、それ以外の場所は「パートナーエリア」となっています。
「パートナーエリア」とは、楽天モバイルと提携しているKDDI(au)のサービス提供エリアのこと。楽天モバイルは自前のネットワークを全国に展開するまで、auのネットワークをローミング利用することで、足りないエリアを賄っているのです。
筆者は、無料サポーターとしてひと足早く楽天モバイルのネットワークを試していますが、「楽天回線エリア」内でもビルの奥まったところや地下などでは、auのネットワークにつながっています。現在、楽天モバイルに割り当てられている周波数帯は1.7GHz帯のみ。他の携帯電話会社のように、携帯電話の電波がもっとも届きやすいといわれる700~900MHz帯の「プラチナバンド」を持っていないことも、その理由のひとつです。
電波には高周波になるほど一度に多くのデータを伝送できますが、その代わりに障害物に弱くなるという特性があるからです。ソフトバンクも携帯電話事業に参入した当初は「プラチナバンド」を持っていなかったため、よく「つながらない」といわれていましたが、楽天モバイルにも同じことがいえるわけです。
注意点2:提携するauのネットワークは上限2GBまで
このように今のところ楽天モバイルのサービスは、KDDIの「パートナーエリア」なしには成り立たないのですが、2つ目の注意点は、auのネットワークは使い放題ではないということ。
月額2,980円の「Rakuten UN-LIMIT」で使い放題になるのは「楽天回線エリア」だけで、「パートナーエリア」であるauのネットワークにつなぐ場合は、2GBまでと上限が決まっています。2GBを使い切ると128kbpsまで通信速度がダウン。1GB/500円でギガを追加することもできます。これは1年間の無料期間中も同じで、「パートナーエリア」で2GBを使いきったあとにさらに高速でつなぎたければ、1GB/500円の支払いが発生します。
今つながっているのが「楽天回線エリア」か「パートナーエリア」かは、4月8日以降、楽天モバイルの専用アプリを起動すれば確認できるとのことですが、「楽天回線エリア」だけ利用するといったような設定はできません。アプリでいちいち接続先を確認しながら使うのは面倒ですし、無制限だと思っていたらいつの間にか「パートナーエリア」の2GBを使い切って、低速接続になっていたという人が続出しそう。つまり「Rakuten UN-LIMIT」は、「パートナーエリア」が利用可能エリアの大多数を占める現時点では、使い放題とはいえないということです。
実は楽天モバイルのサービス発表の少しあとに、ソフトバンクが5Gについての発表を行い、現状の4Gの料金にプラス1,000円、ただし2年間は無料キャンペーンが適用されるという5Gの料金プランを公開しました。これは言い換えれば、5Gの利用可能エリアがまだそれほど広くないということ。使えるエリアが狭いから当面無料なのです。楽天モバイルの1年無料にもまったく同じことがいえるでしょう。