ビデオ会議で新型コロナウイルス感染のリスクを低減
日本政府は2020年2月26日、新型コロナウイルスの国内感染拡大を抑制する目的で2週間の大規模イベントの自粛、延期、規模縮小、中止などを呼びかけた。翌27日には2020年3月2日から春休みまで小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について臨時休業を行うように要請が行われた。さらに、日本政府は2020年3月10日、3月9日に行われた政府の専門家会議の見解を踏まえ、イベント自粛のさらなる継続を発表した。10日間ほどの延長が呼びかけられている。
こうしたイベント自粛や休校の取り組みは日本だけにとどまらず、新型コロナウイルスの感染者を抱える他の国や地域でも行われている。例えば、イタリア政府は2020年3月10日(現地時間)、国内全土で不要不急の外出を控えるように呼びかけを行った。同政府は2020年3月4日時点ですべての学校を休校にする措置を決定している。そのほか、世界中で出入国制限が増えているほか、向こう数カ月のイベント中止が相次いで発表されている。
専門家からは、こうした状況はすぐには収束せず半年や1年といったスパンで続く可能性あるという意見も出始めている。事業継続という観点で見ると急激に厳しい状況に陥ったことになるが、できる対策から始めるしかない状況だ。
在宅勤務やテレワークが難しい業種や職種もあるが、可能であるなら、社外でも業務を続けることができる。例えば、これまでビデオ会議の導入をためらってきたのであれば、このタイミングで挑戦してみるのは悪くないだろう。ビデオ会議は導入の敷居が低い割に効果を得られやすい。ビデオ会議を利用できれば移動時間を省くことができることはもちろん、会議するために生じる公共機関での移動や、会議室に多人数が一定期間同席することによる感染の可能性を下げることもできる。
ビデオ会議を導入するにあたっては、機材の購入やサブスクリプションの購入など、初期投資も運用も負担に感じるかもしれない。しかし、現在では廉価に、または無償で利用できる優れたサービスが多数存在している。ビデオ会議を考えている以上に簡単に始めることができる。
Zoomの特徴とは?
ビデオ会議サービスを提供しているベンダーはいくつもあるし、サービスもたくさん存在している。ビデオ会議を既に使いこなしている企業も多い。今回は、まだビデオ会議を導入していない個人や企業を対象に、導入の簡単さに定評がある「Zoom」を紹介したい。「Zoom」には他のビデオ会議サービスと比較して次のような特徴がある。
- Windows、macOS、Linux、iPhone、iPad、Android、Chromebookで使用できる
- ビデオ会議の参加者にアカウントが不要
- ビデオ会議の主催者のアカウントにGoogleアカウントやFacebookアカウントを使用できる
- 無償版でもビデオ会議に必要なほとんどの機能がそろっている
とにかく導入が簡単で、さらに用途に合わせてスケールアップが容易にできる。導入も簡単、大規模運用も簡単、運用も簡単なのだ。
この手のサービスは、主催者(ホスト)のアカウントが必須となることが多い。招待を受ける参加者側にもアカウントが求められることがある。しかし、Zoomでは参加者にはアカウントは不要だし、ホスト側もGoogleアカウントやFacebookアカウントが利用できるので、実質的にアカウントを増やす必要なく利用することができる。これはZoom最大の使いやすさといっていいかもしれない。
ZoomはPCからスマートフォンまでさまざまなプラットフォームに対応している。必要なのはソフトウェアをインストールするだけだ。会議を開始する主催者(ホスト)も招待される参加者側も、使用するソフトウェアは同じだ。
種類 | ソフトウェア |
---|---|
主催者 | Zoomクライアント(Windows、macOS、Linux)、ブラウザZoom拡張機能(Chrome、Firefox)、Zoomモバイルアプリ(iPhone、iPad、Android)、Zoomクライアントプラグイン(iPhone 、iPad) |
参加者 | Zoomクライアント(Windows、macOS、Linux)、ブラウザZoom拡張機能(Chrome、Firefox)、Zoomモバイルアプリ(iPhone、iPad、Android)、Zoomクライアントプラグイン(iPhone 、iPad) |
いくつかの選択肢があるのだが、基本的に次の組み合わせでアプリケーションまたはアプリをインストールしておけばよい。
プラットフォーム | ソフトウェア |
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デスクトップ/ノートPC | Zoomクライアント(Windows、macOS、Linux) |
スマートフォン/タブレット | Zoomモバイルアプリ(iPhone、iPad、Android) |
招待を受ける参加者側は、事前にソフトウェアをインストールしておく必要もない。会議の招待を受けた段階で、必要があればアプリケーションやアプリのインストールに誘導されていくので、流れに合わせてインストールを行えばよいだけだ。