いまや国民的人気を誇る特撮ヒーロー作品の雄「仮面ライダー」シリーズは、昭和、平成、令和と3つの時代にまたがってテレビの前の子どもたちを熱狂させてきた。中でも2000年放送の『仮面ライダークウガ』を第1作とする「平成仮面ライダー」と呼ばれる20作品は、多くの人気俳優を輩出した"スターへの登竜門"として特に人気が高く、現在はその流れを受け継いで「令和」最初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン』(2019年)が好評放送中である。
WOWOWでは2020年4月から7月にかけ、「平成仮面ライダー」シリーズの「劇場版」44作品を放送する。これに先がけて3月に、「平成仮面ライダー」シリーズでスターの座をつかんだ人気俳優たちが出演した7作品をセレクト放送するほか、『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)の飯島寛騎、『仮面ライダービルド』(2017年)の犬飼貴丈、『仮面ライダージオウ』(2018年)の奥野壮、という「平成仮面ライダー」出身の若手俳優3人による豪華なトーク番組『「劇場版 平成仮面ライダー」大集合!スペシャル』が放送される。
ここでは、番組収録を終えた直後の飯島、犬飼、奥野に集まっていただき、若き情熱を燃やして全力で撮影に臨んだ「仮面ライダー」シリーズの思い出や、今回のWOWOW放送にちなんだ「もう一度観てみたい仮面ライダー映画」の話題、そして「仮面ライダー」を愛するファンの方たちへの感謝の思いなどなど、ファンにはたまらない濃密なトークを繰り広げてもらった。
――飯島さん、犬飼さん、奥野さんが一堂に会するのは、テレビシリーズでも劇場版でもなかったですね。
犬飼:珍しいよね。この組み合わせ。
飯島:新鮮な感じがしましたね。
奥野:『仮面ライダージオウ』テレビシリーズでは、別々のエピソードで犬飼さん、飯島さんと共演させていただいたんですが、こうして3人が揃って話すというのはなかったです。
――さきほど、『「劇場版 平成仮面ライダー」大集合!スペシャル』の収録が終わりましたが、今回の番組をやってみてどんな思いを抱かれましたか。
飯島:とても楽しかったです。久しぶりに「仮面ライダー」の話をしたことで、『エグゼイド』撮影当時の出来事を思い出しました。もう4年くらい前になるのですが、しゃべっているうちにだんだん記憶がよみがえってきました。楽しかったこと、辛かったこと、すごく勉強になったこととか……。思えば、とても濃厚な時間を過ごしていましたね。
犬飼:収録している間、いろいろな形の"愛"を感じていました。「仮面ライダー」を応援してくださるファンのみなさんの愛や、番組スタッフの方々の「仮面ライダー」への愛、東映さんから僕たちに向けられる愛。ありがたいことだなと、改めて実感しました。
奥野:『ジオウ』を終えてから、先輩仮面ライダーの方たちと「仮面ライダー」について話をする機会ってほとんどなかったんです。『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』(2018年)のとき、犬飼さんと2人で取材を受けたこともありましたが、そのときとは違った気持ちで、今回お話することができたかなって思います。とても貴重な体験でしたね。
犬飼:『ジオウ』が終わったいま、奥野くんも"レジェンド"ライダーなんだよね。
飯島:確かに!
奥野:そうなりますね~。
――現行放送中『仮面ライダーゼロワン』の高橋文哉(飛電或人役)さんに対し、仮面ライダージオウ/常磐ソウゴが"先輩"としてリードする姿が印象的な冬映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』(2019年)もありましたし、奥野さんの"レジェンド感"も納得、という感じです。でも今回の番組では、作品的にも年齢的にも最年少ということもあり、「変身ポーズやって!」と犬飼さんから(ちょっと強引に)リクエストされていましたね。
奥野:(笑)いや~、あれはヒドいですね!
飯島:でも、すごくカッコよかったよ。
犬飼:俺たちは変身ポーズを"封印"しているからね。次に変身するときはよほどのことがないと……。
飯島:そうそう。
犬飼:だから今日は、後輩仮面ライダーに変身をお願いしたという(笑)。
奥野:僕も今回でしばらく封印しますからね(笑)。
――先輩の飯島さん、犬飼さんから、『仮面ライダージオウ』の主演を1年間やり遂げた奥野さんを見て、"成長"ぶりをどのように感じられますか。
犬飼:いや、最初のころから奥野くんはプロとして作品に情熱を傾けていましたし、僕が「仮面ライダー」の先輩っぽいことを言うのは失礼なんじゃないかって思っているんです。人間の持つ雰囲気は1年でずいぶん変わりますし、奥野くんのように10代から20代になろうとしている年齢ならなおさら、ものすごい変化が見られるはず。僕が『ジオウ』の第1、2話に出演したことで、そんな彼の貴重な時間を共有できてよかったです。でも、奥野くんは初めから落ち着いていましたよ(笑)。
奥野:いやいや~(照笑)。
飯島:僕が『ジオウ』の第3、4話に出演したときは、同じライダーつながりとして主演の奥野くんを"支える"存在になれたらいいな、楽器でいうベースみたいになれたらな、という思いでやっていました。僕もあっちゃん(犬飼)と同じ意見で、役者としてカメラの前に立つと先輩、後輩は関係なく、芝居で「向こうからビシッと伝わってきた、じゃあ自分はこう返さなきゃ」なんて、お互い発信し合うだけなんです。
奥野:そういう風に言っていただいて、ありがたいですね。