カスタマイズの選び方
はじめてスーツをオーダーする際、もっとも悩むのがデザインのカスタマイズでしょう。ジャケット、スラックス(パンツ)、ベストそれぞれでカスタマイズできる箇所は次の通りです。
ジャケット:ジャケットボタン、ラペル、ベント、ポケット、裏地、ネーム刺繍、ハンドステッチ加工、本切羽(袖口本開き)加工、ボタン変更、ボタンホール色変更、背抜き加工
スラックス:カフス、タック、ツーパンツ、プリーツセット加工、サスペンダーボタン、サイドアジャスター
ベスト:ボタン数、ベスト襟
この中でも、とくにチェックしておきたい全体のイメージを左右する大きなカスタマイズは、ラペル(衿)とジャケットボタンとポケットです。金崎さんはこの3つを「スーツの"目"、"鼻"、"口"」と説明します。
ジャケットボタン
- 2つボタン:定番のスタイルで、ビジネスでもカジュアルでも万能に利用できます
- 3つボタン (段返り):Vゾーンが少しだけ狭くなりクラシカルな印象に
- 1つボタン:結婚式やパーティなどのドレッシーなスタイルに合う華やかな印象
- ダブルブレスト:トラッドで重厚感があるため、貫禄のある印象に
今回はスタンダードに2つボタンを選びました。
ラペル
- ノッチド:流行に左右されず使える定番のスーツスタイル
- ノッチドスリム:ノッチドより1cm細く若々しさを与えます
- ピークド:華やかで強い印象。ドレスアップスーツにおススメ
- ピークドスリム:ノッチドスリムよりもモード感が強調されます
今回はドレスアップを目指しているので、ピークドを選びました。
ポケット
- ノーマル:センターベントの相性が良い定番デザイン
- スランテッド:ウエストを細く見せる効果のある、少しハの字に傾いたデザイン
- チェンジポケット:小ポケットが追加されるデザイン。腰の位置を高く見せる
- スランテッドチェンジ:チェンジポケットを傾かせることでエレガントに
- パッチポケット:ポケットを貼り付けたようなカジュアルなデザイン
今回はスリムに見せることを重視し、スランテッドを選びました。
さらに、スーツにちょっとおしゃれな雰囲気をプラスしようと考え、裏地をキュプラバーガンディに、袖口を本切羽にし、ボタンホール色をワインレッドにカスタマイズしました。またパンツは裾の長さをカスタマイズできます。
いずれも好みやTPOに合わせてスタッフが丁寧に提案してくれますので、どしどし質問していきましょう。
注文とサポートの選択
カスタマイズが終了したら、いよいよ注文になります。採寸したサイズが登録され「表参道」といった店舗名が表示されるので、直近の採寸した店舗を選択。この際、合わせてオーダーシャツも注文可能です。
その後、購入後のサポートを選択します。「FABRIC TOKYO 100」というサポートサービスは月額制のサブスクリプションサービスで、何度でもお直し無料、補修用生地を最大2年間保持、仕立て費用のみでスラックス1本作成、1回までのお直し/作り直しが届いてから100日になるといったメリットがあります。無料版サポートでは1回までのお直し/作り直しが50日のみです。体型変化が気になる方や、作ったオーダースーツを長く着用したい方はFABRIC TOKYO 100 SUPPORTを検討してみるのも良いかもしれません。
あとは支払い方法や受け取り方法を選択すれば注文は完了です。受注生産のオーダーメイドになっていますので、発注後24時間を経過するとキャンセルできなくなる点のみ留意しましょう。オーダーしたスーツは、年間通して約30~45日程度で完成します。季節要因で日数は変動するため、着用予定がある場合は早めの来店がおすすめです。今回は店舗受け取りを選択しました。
こだわろうと思えばいくらでもこだわれる、奥の深いオーダースーツ。はじめてのオーダーには敷居の高さを感じてしまうかもしれませんが、金崎さんはじめFABRIC TOKYOのスタッフは1つひとつ丁寧に説明や提案をしてくれます。自身の好みを伝え、アドバイスを貰うとよいでしょう。
後編では、実際に店舗でスーツの受け取り、仕上がりの確認を行っていきたいと思います。すぐにサイズを確認すれば1回までのお直し/作り直しができますので、できるだけ早めにチェックしておきたいところです。