どうしても1億800万画素カメラにばかり目が行くのですが、この「Mi Note 10」のカメラのすごいポイントのひとつが、実はマクロ。1.5cmまで寄れて、2~10cmの範囲でAFが効きます。マクロカメラは意外と搭載しているスマートフォンが少なく、料理でも花でも、ぐっと寄ると全然違う景色が広がっておもしろいです。
ポートレートは後からボケを調整可能
ポートレートモードでは、左右のスライドで絞りを変更して、背景のぼけ具合を調整することができます。作例を見てもらえばわかるように、ぬいぐるみの毛羽立ちなど背景との切り分けが難しいところも、きれいに切り取られていて自然な感じでは。なおこのように背景のぼけ具合を左右する絞りは、撮影後に変更することもできます。
このほか動画は4K撮影が可能。960fpsのスーパースローモーションのほか、速度を変えた短いムービーが撮れるTikTok向けの機能や、ビデオの自動編集ができるVlog用の機能なども用意されています。またフロントカメラでは、LIVE中継に使えそうなリアルタイムのビューティー加工もできます。
価格は5万円台! 実は質実剛健なコスパスマホ
このようにカメラに特徴のある「Mi Note 10」ですが、実は筆者が使ってみて感心したのはカメラだけでなく、かゆいところに手が届くUIもそうでした。OSはAndroid 9ベースの「MIUI11」なのですが、いろいろと細かなカスタムができるようになっています。
機能面ではこのほか、FMラジオや赤外線リモコン機能も備えていますが、テレビチューナーやおサイフケータイは非搭載。なお、バッテリーは5,260mAhでこれまたスマホ最大級となっています。実際にカメラをがんがん使っていても、電池の減りが速いと感じることはありませんでした。もし万が一バッテリー切れとなっても、付属の30W対応ACアダプターで高速充電ができるのでその点も安心。ただし、最近流行りのワイヤレス充電には非対応となっています。
マクロからワイド、50倍望遠まで、どんな写真も撮れる「Mi Note 10」は、普段から写真をがんがん撮って楽しんでいる人や、自分で動画配信をしているなど動画をとる機会の多い人には特におすすめのスマートフォン。各社のフラッグシップモデルが10万円超えも当たり前の中、これだけのカメラ機能を備えながら、価格が税別52,800円に押さえられているのも、おすすめの理由のひとつです。
この価格を可能にしたのは、カメラと並んでこの機種のもうひとつの特徴といえるチップセット。カメラの機能は完全にフラッグシップのそれですが、実は「Mi Note 10」が採用しているチップセットは、ミドルハイクラスの「Qualcomm Snapdragon 730G」なのです。108MPで撮影する際に連写ができなかったり、夜景モード撮影時に少々時間がかかるのも、おそらくはこのチップセットが原因です。かといって使っていてストレスを感じるというほどではなく、十分に実用的です。
スマートフォンの価格が高くなる傾向にある中で、自分の用途と合致さえしていれば、すべての機能がフラッグシップレベルになくてもいいというのは、大変合理的な考え方。その意味ではシャオミは日本市場への進出に向けて、実にうまいところを突いてきたと言えるかもしれません。