――先ほど少しお子さんのお話も出ましたが、結婚・出産を経て2児の母に。プライベートでの変化も女優としてプラスになっていると感じますか?

安達祐実

そうですね。年齢相応に見えないというところで、私が実際に母親でなかったら、母親役に違和感を抱く人がもっとたくさんいると思うんですけど、そういうところに説得力を持てたなと思います。そして、子供ってすごい癒やしなんです。大変なんだけど、一緒にいて楽しいし、ものすごく癒やされる存在だから、それがエネルギーになっていると感じています。母親になって強くなった部分もあるだろうし、仕事に対するいい影響はたくさんあると思います。

――仕事と家庭を両立されているのもすごいなと。

全然です。どっちも中途半端になりがちですが、仕事はお金をもらってきちんとやらないといけないものなので、仕事は完璧にしつつ、ちょっと家事は手を抜きつつ(笑)

――うまく両立させるための秘訣やMyルールはありますか?

昔は欠点を人に見せたくないという思いが強く、家事や子育てを完璧にやれる人になりたかったのですが、現実は全然無理で、あるときから「無理だな」「できないや」と思ったらすごく楽になりました。今の主人は完璧を求めない人で、やれる範囲でやれればいいという感じで、それもあってすごい楽に。「完璧じゃなくてもいいや」と思えることがうまくバランスをとる秘訣なのかなと思います。

――何か変わるきっかけになる出来事が?

結局、家庭にいい影響を与えないなと思ったんです。頑張りすぎることとか、完璧にやらなくちゃって思いすぎていっぱいいっぱいになることが、子供や旦那さんにいい影響を与えているとは思えないなって。逆にちょっとホコリがたまっている部分があっても、それでも私が大らかで楽しくしているほうが円満なのだと感じました。

――仕事では完璧を追求されているイメージがありますが、実際はいかがですか?

すごい役作りするとか、役を掘り下げるというのは全然なくて、感覚でやっています。だから演技論とか交わせないんですよね。先輩の女優さんから「祐実ちゃんって本当に何も考えてないよね」と言われるくらい(笑)。でも、ずっとこれで来たので今さら変えられないんです。

――そうだったんですね。この作品を通して成長できたなと感じていることはありますか?

すごく不慣れなことで、きちんとした技術も持ってなくて、やりたいのにやれないもどかしさを久々に味わっている感じがしました。でもこの年になって、新たに頑張ればもうちょっと上達できるかもって思えることに出会えたことは、すごい幸せだなと。普段やっているお芝居と全然違って、まだ勉強する余地があるということ。それはすごいワクワクするなと思いました。

――最後に、本作の魅力をPRお願いします。

私はグロテスクな描写があんまり得意ではないんですが、そういう人でも面白く見られるし、血も飛び交ったりしてすごいんですけど、さわやかでスッキリしたっていう気持ちになれる。そして、実際に血のつながりがなくても、危機的な世界を一緒に乗り切ることで深い絆が生まれたり、出てくるのがほとんどゾンビなので、人間の温かさが際立ってくるというか、すごく感じられます。いろんな楽しみ方をしていただけたらと思います。

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■プロフィール
安達祐実
1981年9月14日生まれ、東京都出身。2歳で芸能界入りし、1991年にハウス食品のCMで話題に。1993年に銀幕デビューとなる『REX 恐竜物語』で主演を務め、1994年に主演ドラマ『家なき子』(日本テレビ系)で大ブレイク。その後も、ドラマや映画などで幅広く活躍している。そのほかの主な出演作は、ドラマ『ガラスの仮面』(97・98)、『ナースのお仕事4』(02)、『大奥』(03)、『トクボウ 警察庁特殊防犯課』(14)、『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(15)、『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』シリーズ(16~18)、『海月姫』(18)、『警視庁・捜査一課長 season3』(18)、映画『ヒーローインタビュー』(94)、『お墓がない!』(98)、『LOFT ロフト』(05)、『野のなななのか』(13)、『花宵道中』(14)など。