最初のトークセッションは、「みふぉん教室:スマホメーカーから直接聞く!3社のカメラ特徴をご紹介」として、スマートフォンメーカー3社が自社の新製品を、カメラ機能に絞ってプレゼンテーションするという試みだ。
まずはASUS から、新製品の「Zenfone 6」について。同社のSIMフリー端末でもフラッグシップとなる製品だが、最大の特徴はメインカメラが前面もカバーする「フリップカメラ」だ。
フリップカメラは4800万画素のメインカメラと、1300万画素の広角レンズを搭載したサブカメラによるデュアル構成。カメラの切り替えボタンを押すと、カメラ部が機械的に回転して前面と背面を切り替えられる。感覚としてはデジカメの黎明期にあったカシオ QV-10Aやニコン COOLPIX 900番台のような回転レンズに近いものがある。4800万画素という一眼デジタルカメラ顔負けの画素数から「世界一きれいな自撮り」をウリの一つにしているほどだ。
単にフリップして前後を切り替えられるだけでなく、回転中にも撮影を続け、手動よりはるかに安定して美しいパノラマ撮影ができたり、レンズの角度を調整して(音量ボタンで角度を変えられる)立ったままでもローアングル撮影が可能なフリーアングル撮影など、フリップカメラを最初から使いこなしている感がある。日本のメーカーが最初期に自ら提案していた回転レンズを、こうした方向に発展・進化できなかったのは大変残念だと思わせるものがある。
続いてOPPOからは「Reno A」が紹介された。こちらは完全に日本向けに開発された独自モデルということで、防水・防塵(IP7X/IP6X)やおサイフケータイ(FeliCa)など日本向け機能を強化している。カメラ機能についてはセルフィーに力が入っており、メインカメラがメイン1600万画素+サブ200万画素のデュアルカメラなのに対し、フロントカメラは2500万画素と、フロントカメラ側のほうが高画素になっている。
フロントカメラでの撮影では、シャッターボタンを押さずとも、手のひらをかざすだけでタイマー撮影が可能な「ジェスチャー撮影」に加え、顔の296カ所の情報を捉えて解析し、最適な補正を加える「AIビューティー」機能を搭載。輪郭や目の大きさ、肌の色、目の隈などパーツ単位で美しく補正してくれる。
セルフィーで修正を加えて「盛る」のはアジア圏の女性を中心に広く受け入れられている感があるが、アプリをインストールしなくても基本機能で盛れるようにしているわけだ。このあたりは「基本機能=素材用、加工=アプリ」という概念もすでに過去のものになりつつあるのだろう。
最後はソニーモバイルコミュニケーションズから「Xperia Ace」が登場。ここまでハイエンド、ミドルハイときて、「Ace」は実売4万円代のミドルクラスにあたる、5インチのコンパクト機だ。カメラ機能としては、メインカメラは1200万画素、フロントカメラは800万画素と、数値上はやや控えめ。ただしメインカメラは、Xperiaのコンパクトシリーズとしては初の「ハイブリッド手ブレ補正」を搭載。光学式+電子式のダブル手ぶれ補正機能付きで、特に暗所や動画撮影時には手持ちであってもジンバル撮影のような強力な手振れ補正が得られる。
また、AIがシーンや撮影コンディションを認識して最適な設定にする、Xperiaシリーズ伝統の「プレミアムおまかせオート」も搭載しているが、補正のバランスは控えめながらツボをついており、好感触だ。
フロントカメラ側は800万画素だが、標準(画角90度)とワイド(画角120度)を切り替えられ、大勢で、または背景も大きく入れたいセルフィー撮影時に効果を発揮する。またポートレートセルフィー時には美肌、目の大きさや輪郭などを補正する機能や、4枚連写してムービーや4コマフォトを作成できる「4コマストーリーモード」といった楽しみ方も提案している。
スマートフォンのカメラがすっかり定着しているが、案外似たような性能に見えて、まだまだ個性が分かれるものだと興味深いプレゼンテーションになった。今後のスマホ選びのポイントとして注目してみてはいかがだろうか。