――鶴光師匠といえば『トラック野郎』シリーズなど数々の映画作品に出演されて人気を博しましたが、ヒーローに敵対する「悪」しかも「宇宙人」というのは珍しい役ですね。

興味本位でやらせていただきました(笑)。今回はセリフも長いし、緊張しましたね。

――オールナイト星人のボディアクションの派手さはさすが鶴光師匠という感じで、往年の身体のキレは健在というところですね。

ロバマンの照美さんがものすごく"走る"じゃないですか。主役があそこまでやるのなら、僕もやらなあかんと思って、出来るだけオーバーアクションで演技をやらせてもらいました。

――また、鶴光師匠ならではの"エロ"芸といいますか、深夜ラジオのノリで唐橋ユミさんとかけあいをされたりしていたのには感動させられました。

唐橋ユミちゃんに"あんなこと"させたのは僕だけじゃないですかね。夢のような場面でした(笑)。

――鶴光師匠の人気フレーズ「わんばんこ」も飛び出しましたが、あの「わんばんこ」はそもそもどうやって生まれたのでしょうか。

よくギョーカイ用語といって「コーヒー」を「ヒーコー」とひっくり返したりしてたんですよ。それをヒントにして「こんにちは」をひっくり返したのが「わんばんこ」。あと「こんにちは」をひっくり返して「わちにんこ」というのも作ったんですけど、こっちは流行りませんでしたな(笑)。

――完成した映画をご覧になってどう思われましたか?

撮影はグリーンバックの前でやっていたので、合成で背景がはめ込まれたり、手から光線が出たりしてびっくりしましたね。ドンキホーテで買ってきたカツラを被って演じましたけど、もっとロバマンみたいなコスチュームでもよかったかもしれません。河崎監督の作品にはまた出てみたいですね。オールナイト星人でもええですし、別な役でも(笑)。

――照美さんも鶴光師匠も「ラジオ」メディアで若者の心をつかまれましたが、テレビやWEBサイトと違うラジオの魅力とは、どんなものだと思われますか。

ラジオで伝えられるのは「言葉」だけですから、聴いている人が「この人は冷たい人なのか、あったかい人なのか」がすぐにわかるんです。テレビでタレントが何かを言うのと違って、ラジオだと聴いている人と一対一の関係になり「鶴光が俺に向かって喋っている」と思ってくれるんです。ラジオファンが僕に抱いてくれる「親近感」というのはすごいもんだと思いますよ。今回の『ロバマン』も、照美さんのファンの方、僕のファンの方、河崎監督のファンの方がみんなして、映画を観ながら拍手したりツッコミ入れたりね。とても親しまれる映画になっているんじゃないかと思います。