芸歴20年を越えて今も新ネタを作り続け、毎年全国1万人に生のお笑いを届けているお笑いコンビ・トータルテンボスの大村朋宏と藤田憲右。今年も9月29日に全国ツアーをスタートさせ、全国17会場18公演を巡る。そんな2人を直撃し、自分たちの成長のためにも欠かせないというツアーへの思いをはじめ、漫才の魅力、今後の目標などを聞いた。
――今回のツアータイトル「CHATSUMI」について、大村さんが「お茶どころ静岡県出身ということもあり、今までの芸歴21年間で、種を蒔き、太陽を浴び、水をやって育ててきた、漫才を構築する1つ1つのスキルを、ここいらで摘みとっていこうという意味です」とコメントされていましたが、今年は特別な思いが?
藤田憲右:タイトル考えたの僕らじゃないんですよ。
大村朋宏:毎年ツアータイトルを決めるタイミングで、マネージャーに「何考えているの?」って急に振るんです。食いしん坊の女の子のマネージャーのときは「餡蜜(あんみつ)」を考えていたので「餡蜜」にしたり。それで、社員の中でトータルテンボスについたらツアータイトルを振られるって噂になっていたみたいで、今年振ったら「もう考えてあります」って言われて、意味も説明されたんです。
藤田:タイトルをこういう意味でこうしようって、思いを込める年齢ではないなと思って。
――マネージャーさんが考えたタイトルとコンセプトだったんですね。では、お二人は特に集大成の時期と考えているわけではないのでしょうか?
藤田:まったく思っていないですね(笑)。22年目ですから。25年とか区切りだったらわかりますけど。
大村:マネージャーの説明を聞いて、いいじゃんいいじゃんっていう感じで(笑)
藤田:あのコメント通り受け取って「大村さんかっこいい」ってなると恥ずかしいよね。
――そう思っている人は多いかもしれません。
藤田:恥ずかしいね(笑)
大村:でも熱い思いがあると勘違いしてもらって全然問題ないので(笑)
――ではリアル話として今回のツアーにかける思いをお聞かせください!
大村・藤田:それは毎年変わらないです。
大村:全力投球。今年に限ったことではなく、毎年去年を超えたいと思ってやっています。
――トータルテンボスさんはツアーを毎年開催し、しかも公演数も多く、ツアーに力を入れている印象が強いです。
藤田:1回2回で終わる人も多いけど、もったいないなと。
大村:20カ所くらいは毎年やりたいですね。何か所もやるとこんなに仕上がってくるんだっていうことを若手はやったことがないから知らないと思うんですよ。やったほうがいいぜと言ってはいるんですけど。
藤田:ツアーはやりながら仕上げていくものかなと。全部で3カ所だと、最初からガチガチに仕上げないといけないじゃないですか。
――いろいろ挑戦もしながら仕上げていくんですね。
大村:だから、前半、中盤、後半という感じで来ていただけたら、同じツアーなのかっていうくらい変化があると思います。
藤田:全然違うと思いますね。
――コンビとして成長していくためにもツアーはやはり重要だと実感していますか?
大村:欠かせないですね。ツアーの中で成長できていると思うので、毎年やり続けたいです。
藤田:去年より最初が上がっていたらもっと成長できるということなので。
大村:毎年結果的にツアーができているので、簡単にできるんだって思ってしまうかもしれないですけど、当たり前じゃなく、お客さんに来てもらわないとできないこと。お客さんは楽しんでもらわないとリピーターにはなってくれないので、当たり前じゃないと自分たちに言い聞かせています。