――2013年には「もしかしてだけど」でブレイクされましたが、コンビにとってやはり大きな転機になりましたか?
森:あのブレイクをきっかけに僕らをたくさん知ってくださる方がいらっしゃって、すごかったなとは思っていますが、すごくきれいにラッピングしてもらっている気がして、ラッピングに見合う商品にならなきゃって思っていたかもしれないです。
――イメージが先行してしまっていたということでしょうか?
森:そうですね。
江口:好きなことをただやっている。下ネタも好きだからずっとやっているだけなので、細々とアンダーグランドじゃないですけど、そんな感じでやっていけたらいいと思っていたらパッとブレイクして、大丈夫なのかなっていう戸惑いはありましたね。
森:うれしさもあるけど申し訳なさもあって。
――その戸惑いはどうやって乗り越えたのでしょうか?
森:忙しく仕事をさせてもらっているときに、自分たちはマイペースなタイプなんだなと思ったんです。3人以上知らない人がいると、途端にドキドキし始める(笑)。でもネタのときだけは誰にも邪魔されず2人でやれるので、自然にネタに戻ってきた感じですね。これしかできないし、これが好きなので、これからもこんな感じなんだろうなと思っています。
江口:いろんな仕事をさせてもらったんですけど、やっぱり俺らは歌うのが一番楽しいなと。
――『キングオブコント』優勝は、そうやって自分たちのスタイルを続けてこられたひとつの集大成だと思いますが、この優勝で下ネタ&歌ネタを貫いていくぞという思いがさらに増しましたか?
江口:でも、本当に好きでやっている感じですからね。ケーシー高峰さんや志村けんさんとか、ちょっとエッチで面白い大人になりたいというか、そういう芸人になれたらいいなと。
森:自分たちらしさを貫いたと言ってもらえているのはありがたいですし光栄ですが、自然にやっていたことを“僕たちの意志”にしてもらっている。僕らはこういうタイプなので、今後みなさんが疑問を持つ方向に行く可能性もあるなと思っています。
江口:こんなはずじゃなかった。応援していたのにって。僕らはただのスケベですから(笑)。
――前回のブレイク時の経験からも、“自分たちのやりたいことをやっていく”のが大事だと考えられているんですね。
森:そうですね。それが結果的に自分たちの意志というように見てもらえたらいいなと思っています。
――改めて今後の目標をお聞かせください。
森:僕ら単独ライブとかやっていないので、もし先方がよろしければ秘宝館で歌いたいですね。大きな“イチモツ”が飾ってありますから、その前で(笑)。熱海を皮切りに。
江口:「秘宝館ツアー」をやりたいです(笑)!
どぶろっく
森慎太郎(1978年10月7日生まれ、佐賀県三養基郡基山町出身)と江口直人(1978年4月4日生まれ、佐賀県三養基郡基山町出身)によるお笑いコンビ。浅井企画所属。保育園から大学まですべて同じ学校という幼なじみで、2004年9月にコンビ結成。2006年に一度解散するも2007年5月に再結成。2008年に『あらびき団』(TBS系)で歌ネタを披露して注目を集め、2013年に「もしかしてだけど」の歌ネタでブレイク。『歌ネタ王決定戦』(MBS)では、2013、2015、2016、2018年に決勝進出。『キングオブコント2019』(TBS系)で12代目王者に輝いた。