真の主役はハードではなくサービス?

発表全体を通して見ると、ここ数回の発表会で主役級の扱いだったAR機能への言及もなく、S5やA13 Bionicの性能面での強いアピールも少ない、あっさりとした発表会となった。一部で噂されていたような(たとえば落し物タグのような)オプションも発表されず、やや淡白な印象だ。

とはいえ、今後はiPhoneのようなハードウェアではなく、むしろApple ArcadeやApple TV+のようなサービスを収益の中心に据えていく、と捉えるのであれば、あえてハードウェアに先んじて、冒頭に2連発で紹介した構成にも納得がいく。

日本市場に限定して言えば、電気通信法の改正によって割引販売が受けられなくなり、ますますiPhoneのような高級端末には逆風が強くなってくる。ソフトバンクのように抜け道を探してきたケースもあるが、アップル自身もやや価格を下げたり、下取りを強化するなどして、市場へのアピールを強めている。昨年は販売の不調が話題となったが、iPhone 11シリーズで挽回されるのか、興味深く見守りたい。