――島で遭難して数日が過ぎ、みなさんヒゲが伸び放題になっている中で、芹澤さんのヒゲだけいつものままなんですね。

芹澤:ヒゲはそのままですけど、青羽の顔に注目してください。眉毛がつながってますから(笑)。

武田:セリさんの「眉毛」は大きな見どころですよ。完全につながってます(笑)。

――今回のストーリーは、一海が「主役」であることと同時に、一海と三羽ガラスとの「友情」を再度確認することのできる熱いものになっているようですが、台本作りの際に武田さんから要望を出されたりしましたか?

武田:内容については一切口を出していませんが、これまでずっと『ビルド』の物語を作り続けてきた大森(敬仁)プロデューサーが関わって、武藤(将吾)さんにシナリオを書いていただくことをお願いしました。大森さんも「武藤さんじゃないと書けないよね」と話していましたけどね(笑)。出来上がった台本は、自分が「こうあってほしい」という思いを汲んでもらっていると共に、それ以上の内容になっていると思いました。

――劇中で、三羽ガラスのみなさんが「擬態」としてではなく"本物の"ハザードスマッシュに変身されたのはひさびさだと思います。変身の際は、どんなことを思われましたか?

栄信:変身、ずいぶんやっていなかったから、すごくフワフワした感じだったよね。

吉村:緊張と、ちょっとむずがゆさがありませんでした? 久しぶりのこっ恥ずかしさ(笑)。

芹澤:そうだよね。『ビルド』の最後のほうにも俺たち出てきたけど、あれって"本物"じゃなかったし。

武田:今回のみんなの変身、目がピカっと光ったりしてカッコよくなってなかった?

吉村:なってました!

武田:おおっ、こいつら優遇されてるなって。だから、監督さんとかスタッフがみんな思ってたんですよ。あいつらをカッコよく見せてやろうと。

芹澤:うれしかったですね。最初に『ビルド』に出てきたときは怪人だったのに。

栄信:今回の俺らは、いわばヒーローのポジションだからね(笑)。ヒロインのみーたんを守って戦いますから。

武田:さっき内容についての話をしましたけれど、大森さんに話してたのは「今回の『グリス』は、一海と三羽ガラスさえいれば話は成り立ちますんで、極端な話、他のキャラが出なくてもいいですよ」ってこと(笑)。

栄信・芹澤・吉村:おおーっ(感動)。

栄信:でも、レギュラーのみんなもしっかり出てくれたので、とても豪華な作品になりました! まさに『ビルド』の集大成って感じで。

――今回は、グリスが三羽ガラス(ハザードスマッシュ)の武装とカラーを備えた「グリスパーフェクトキングダム」なる強化形態が出てくるのが大いに話題を呼びました。まるで4人の心がひとつに合わさったかのようなこのグリスの新フォームについて、どんな思いを抱かれましたか。

武田:まあ、「4人全員で変身」という感じでしたからね。

吉村:この姿でアクションしているのを見たときは、感動しました。

武田:変身ポーズはいつも自分でアイデアを出すんですけれど、今回は「三羽ガラスのドックタグを握りながら顔を上げる」という部分に注目してほしいですね。なぜこのような変身ポーズを取ったのか、一海の熱い"思い"を汲み取ってくれればうれしいです。

栄信:今回、メタルビルドなどいろいろ強敵が出てくるのですが、敵の攻撃をグリスパーフェクトキングダムが、キャッスルの「盾」を使って防いだのが感動しましたね。

武田:あそこ、ビックリしたでしょ。キャッスル、スタッグ、オウルの武器で戦うんです。変身のときのエフェクトや、最後にキックを決めるときなどに、4人のイメージが被さるっていう演出も、心を打ちますよ。

栄信:赤羽、青羽、黄羽の「3色」がグリスの「金」に加わって、4人の魂が融合しているかのように感じられますね。

武田:変身後もずっと、3人のドックタグを握りしめながら戦っているのがいいよね。スーツアクターの藤田慧くんに「ずっとドックタグ握って敵と戦うのって、大変じゃなかった?」って尋ねたら、「それは気にならなかったですけど、どちらかというと背中の『オウル』パーツが壊れないか心配でした」って言われた。

吉村:グリスパーフェクトキングダムが後ろに倒れたとき、自分もオウルハザードスマッシュだったので「背中(のパーツ)大丈夫かな」と気になりました(笑)。

武田:背中を地面にぶつけないよう、転がり方に気をつけていたんだって。

吉村:すごいですよね~。