NW-ZX507の特徴
NW-ZX507は現行の「NW-ZX300」シリーズと同等クラスに位置付けられるものと思われるハイエンドモデルです。
NW-A105との大きな違いは、音質がより洗練されていることと、再生可能なハイレゾ音源の幅がより広いことなどです。DSDは11.2MHzまで、リニアPCMは384kHz/32bitまでの音源をネイティブで再生できます。MQAファイルの再生にも対応しました。
また、4.4mm/5極仕様のバランス接続用ジャックを搭載しているので、同仕様のプラグによる有線接続に対応するヘッドホン・イヤホンと組み合わせれば、ステレオイメージが一層鮮明な音楽再生を楽しめます。ソニーのイヤホンとの組み合わせによるノイズキャンセリングと外音取り込みの機能は、ZX500シリーズには搭載されていません。
ZX300シリーズとの機能面の違いは、ZX500シリーズはAndroid搭載であることのほかに、ディスプレイが大きくなったことや、手のひらになじみやすい曲線を活かしたデザインになったことなどが挙げられます。NW-A105と同じく、デジタル接続のインタフェースはWMポートからUSB Type-Cに切り替わっています。また、Android搭載によって内蔵バッテリーによる連続音楽再生時間は少し短くなりました。USB-DACやBluetoothレシーバー機能も省略されています。
IFA 2019会場のデモコーナーで、密閉型上級ヘッドホン「MDR-Z7MK2」と組み合わせて、音楽配信サービスのTIDALとSpotifyのサウンドをチェックしました。音については内部の高音質パーツを洗練させたことによって、バランス出力とアンバランス出力ともに広大なサウンドステージの表現力に磨きをかけています。
上位のウォークマン「Signatureシリーズ」に迫るほど、鮮やかでエネルギッシュなボーカルと、鋭く打ち込まれる低音の底力が、ZX300シリーズと比べてまた格段に高まっている印象を受けました。音の定位感がスピーカー再生に迫るほど立体的です。このクラスのポータブルオーディオプレーヤーとしては他に類を見ないほど、クリアで見晴らしの良い音場感が再現できていると感じました。