NW-A105の特徴
スタンダードクラスのNW-A105について、特徴を整理しましょう。音楽再生アプリはオリジナルの「W.Music」がプリインストールされています。192kHz/24bitまでのハイレゾ音源のネイティブ再生に対応したほか、DSD形式は2.8/5.6/11.2MHzの音源をリニアPCM変換により再生できます。また、MQA音源の再生にも対応しました。Bluetoothのオーディオコーデックはハイレゾ相当の高音質が楽しめるLDACが使えます。
ハイレゾではない音源については、高品位にアップコンバートして再生するDSEE HXの機能と、ウォークマンに内蔵されている多彩なイコライザー機能が利用できます。それぞれの機能は上位のNW-ZX507にも搭載されています。
通常のAndroid端末の場合はOSに内蔵されているMedia Volumeで音量を決定しますが、W.Musicアプリで再生する場合はMedia Volumeをバイパス(最大音量にセット)して、ウォークマン独自のマスターボリュームで音量調整を行うため、迫力ある高音質体験を楽しむことができるのが特徴です。
NW-A105本体のタッチパネル液晶は、NW-A50シリーズの3.1インチ・800×480画素よりも約116%の大画面化と、高解像度化を同時に実現しながら、本体のサイズはほぼ変わっていません。本体サイドのキーはボリュームのアップダウンキーを独立させて使いやすくしました。
また、ウォークマンシリーズ独自のインタフェースとして採用されてきたWMポートが廃止され、汎用性の高いUSB Type-Cへと2019年発表モデルから切り替わっています。スマホやヘッドホン・イヤホンにUSB Type-Cを搭載する製品が増えているので、ウォークマンと充電ケーブルを共有できることはユーザーにとっては朗報です。
アンプにはソニー独自のS-Master HXを搭載。現行上位モデルのウォークマン「NW-ZX300」シリーズで使われている高品位なオーディオパーツを採用したほか、本体のキャビネットをアルミブロックからの削り出しによって成形したことで、高い剛性と高音質再生を同時に実現しています。
IFA 2019の会場で、NW-A105のサウンドをヘッドホンの新製品「WH-H910」で試聴することができました。現行モデルのA50シリーズから最も変わったことは音場感がさらに広くなり、低音も透明度が増したことです。ふたつの要素が安定することによって、ハイレゾ再生の解像感が高まり、音のディティールに自然と意識が向けられるようになります。長時間リスニングの心地よさがまた格段に高まることが期待できます。
ちなみに、9月5日にはアジアでもNW-A100シリーズの発売が明らかになり、ハイレゾノイズキャンセリングイヤホンを同梱する、内蔵メモリー32GBの「NW-A106HN」という製品が発表されました。
NW-A105に付属する予定のハイレゾ対応イヤホン「IER-NW510N」と組み合わせると、ウォークマンの設定からノイズキャンセリング機能、および外音取り込み機能が選べるようになりそうです。ノイズキャンセリングや外音取り込みの機能は通知トレイからアクセスして、効果の強弱を設定画面から微調整できるようになっています。
イヤホンのIER-NW510Nは6mm口径のドライバーを搭載し、現行のNW-A50シリーズに対応するハイレゾノイズキャンセリングイヤホン「IER-NW500N」から約50%のサイズダウンを図って、音質・機能は同レベルを維持。装着性を一段と高めています。イヤホン本体の色はウォークマンと統一されたものが同梱される予定です。