エントリーモデルの「NW-A105」と上位モデルの「NW-ZX507」

IFA 2019に出展するソニーが、Android搭載のハイレゾ対応ウォークマン(2機種)を発表しました。エントリーモデルの「NW-A105」は350ユーロ(約40,000円)、ハイレゾ再生を強化した上位モデルの「NW-ZX507」は830ユーロ(約97,000円)。価格はともに本体のみ。11月から欧州各国で順次発売を予定しています。

IFAでは詳細が明らかにされませんでしたが、日本国内での発売も控えているのではないでしょうか。現行モデルのNW-A50シリーズが2018年10月発売なので、2019年もその時期の登場を期待したいところです。

  • NW-A105

    欧州向けのAndroid搭載ウォークマンのエントリーモデル「NW-A105」

NW-A105は内蔵メモリーが16GB。外部ストレージとしてmicroSDカードも使えます。ディスプレイのサイズは約3.6インチ、解像度は1280×720画素。同じくIFA 2019で発表されたh.earシリーズのヘッドホン「WH-H910N」とカラーバリエーションをそろえた、レッド、ブラック、アッシュグリーン、オレンジ、ブルーの5色が発表されています。

  • NW-ZX507

    Android搭載ウォークマンの上位モデル「NW-ZX507」

NW-ZX507は64GBの内蔵メモリーに加えて、microSDカードも使えます。ディスプレイのサイズはA105と同じ約3.6インチ、解像度は1280×720画素。こちらはブラックの1色展開。NW-A105とともに、Android 9.0が採用されています。

Android搭載のウォークマンは2011年に初めて「NW-Z1000」シリーズが発売され、以後2015年発売のハイレゾ対応モデル「NW-ZX2」まで続いてきましたが、以後しばらくの間は独自の組み込みOSを載せたモデルに切り替わっていました。約4年ぶりに「Androidウォークマン」が復活を遂げたことになります。

Androidが搭載されるメリットにはいくつか考えられます。ソニーの担当者はハイレゾやCDから取り込んだ音源だけでなく、SpotifyやAmazon MusicなどAndroidプラットフォームで楽しめる音楽ストリーミングを挙げます。ストリーミングサービスの音源を直接受けて、高音質で聴けることに注目してほしいと語っています。

  • NW-ZX507

    Andorid OSに対応するアプリを導入して楽しむことができます

どちらのモデルも、音楽コンテンツのストリーミング再生はWi-Fi接続で楽しむ仕様。SIMを装着してセルラー通信機能でネットワークに接続することはできません。Wi-Fiに接続できない場所で、Spotifyなどで配信されているコンテンツを聴く場合は、あらかじめファイルを本体ストレージにダウンロードして楽しむスタイルになります。

Google Playストアで公開されている多くのアプリにも対応しています。例えば、ソニーのワイヤレスヘッドホン・イヤホンの上位モデルが対応する「Sony Headphones Connect」アプリをインストールすると、ウォークマンからヘッドホン・イヤホンの各機能やイコライザー設定を操作できるようになります。

ディスプレイも搭載しているので、AmazonプライムビデオやNetflixのコンテンツも端末にダウンロードして、いい音と一緒に楽しめます。

  • NW-ZX507

    ウォークマン純正のW.MusicアプリもAndroid対応に

SoCは「1.8GHzのクアッドコア」であること以外は、ベンダー名や詳しい仕様は非公開。ゲーム系のコンテンツもダウンロードは可能ですが、グラフィックの描画、タッチ操作のレスポンスを考えると、スマホのほうが快適かもしれません。ポータブルタイプのマルチメディアプレーヤーとしては、アップルのiPod touchのほうが色んな用途に使えるかもしれませんが、ソニーのウォークマンは「ハイレゾ対応」の高音質な音楽再生に特化しているところが大きな魅力です。

Android搭載のデメリットは、OSを走らせることでバッテリー消費が大きくなることです。同じ条件下で連続音楽再生時間を比べた場合、現行のウォークマンA50シリーズの約45時間に対して、A100シリーズは約26時間と短くなっています。また、現行のA50シリーズはウォークマン単体の価格が2万円台前半なので、今回の新モデルが日本で発売となったとき、価格が少し上がりそうです。