◆製品SKU
Photo15が1/2 Socket対応の、Photo16が1 Socket専用の第2世代EPYCの製品SKUとなる。初代EPYCは両方合わせても12製品(のちに2製品追加され、合計14製品)でしかなかったのに、今回は合計で19製品が一挙発売となった。
ちょっとこのままだと比較しにくいので、第1世代と第2世代を混ぜて示したのが表1と表2である。
必ずしも製品が1:1対応しているわけではないのだが、例えばEPYC 7251とEPYC 7252ではコア数と価格は据え置きながら、動作周波数が引きあがっている。EPYC 7281とEPYC 7282なども同じだ。もっとすごいのがEPYC 7401とEPYC 7402とかEPYC 7451とEPYC 7452などで、動作周波数が引きあがったり、コア数が増えたりしていながら、むしろ価格は下がっている。さすがにEPYC 7551とEPYC 7552では価格は上がっているが、コア数が16個増えていながらTDPがむしろ下がっているから、トータルとしてはかなりお得だろう。全般的に、より性能価格比が向上するだけでなく、殆どのケースで消費電力の削減も実現している。
ちなみにSKUをみるとちょっと興味深いのは、EPYC 7252/7262である。コア数は8ながらL3が64/128MBということで、これはCPU Chipletが2つないし4つの構成になっていると思われる。ということはCPU Chipletあたり4コアないし2コアしか使ってない訳で、その分Base Frequencyを高く取れるという事であろう。このあたりはChipletによってダイの数を好きにいじれることのメリットが出てきたことになる。
また、初代EPYCと異なり、ダイの数そのものを増減できるから、原価そのものも下げられる。一番安いのがEPYC 7232Pで、これはCPU ChipletとI/O Chipletがそれぞれ1つづつという構成である。だからこそ、EPYCでありながら450ドルという破格の値段で販売可能なのだろう。EPYC 7252/7262は、むしろアクセラレータなどを大量にぶら下げてのコントローラ向けという扱いがメインなので、コア数よりも動作周波数を高くする(&実効転送速度を稼ぐためにL3を多め)という構成になっているものと考えられる。
この価格であるが、競合製品である第2世代Xeon Scalable Processorと比較してみたのが表3である。
リストは価格の降順になっている。こうやってみると、第2世代EPYCはXeon PlatinumというよりはXeon Gold~Xeon Silverの価格帯で提供されているのが良く分かる。ハイエンドのEPYC 7742ですら6950ドルを切っており、Xeon Platinum 8280Lの半額以下(というか4割程度)でしかない。この価格競争力の高さが、第2世代EPYCの大きな強みである。実際発表の中でも、それを強調するスライドがいくつかあった(Photo17~22)。
もっともAMDからすれば、従来のハイエンドであるEPYC 7601が4200ドルだったわけで、より高価格帯製品を投入できるようになった、という事でもある。