日本オラクルは、2019年8月6日・7日、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにおいて、プライベートイベント「Modern Cloud Day Tokyo」を開催している。テーマは、「次世代クラウドが変える日本のビジネス」。
同イベントでは、今年5月に東京に開設した次世代データセンターや、それを通じて提供する第2世代クラウドプラットフォームおよび機械学習やAIを活用したクラウドアプリケーション、ハイブリッドクラウドソリューションなどの取り組みを紹介する。会期中には約7000人が訪れる予定だ。
初日の基調講演では、冒頭にラリー・エリソン会長のビデオ・メッセージを紹介した。「オラクルが日本のマーケットに貢献できることを楽しみにしている。日本では東京データセンターの開業を皮切りに、6カ月以内に大阪にもデータセンターを開設する。今日のイベントでは東京データセンターの可能性を紹介する。そして、東京データセンターは大阪、アジア、世界へと展開し、すべての顧客のビジネスの成功に貢献できる」と、同氏は語っていた。
続いて、日本オラクル 取締役 執行役社長 最高経営責任者のフランク・オーバーマイヤー氏が登壇した。
オーバーマイヤー氏は、「Oracle Cloudの差別化要因は何か。それは『パブリッククラウド、ハイプリッドクラウド、プライベートクラウドの3つの要求に対応できること』『IaaS、PaaS、SaaS、DaaSといった完全な形でクラウドを提供できること』『HCM、ERP、CXなどのあらゆる領域をサポートしていること』『最高のテクノロジーとセキュリティ、拡張性を持っている』という点にある。そして、東京と大阪にデータセンターを開設することで、競合他社とイーブンの状況となる。また、われわれはAIなどを組み込んで自動化を図ることができるAutonomous Databaseが重要になると考え、その提供に力を注いでいる。そして過去32年間にわたり、日本のマーケットに新たな技術を紹介し、エンタープライズに新たな技術を導入してきた。そうした実績も強みになる」と述べた。
また、Data as a Service(DaaS)についても説明した。「社内のデータに加えて、外部のデータも利用することで、さらに高度なインテリジェンスを得られるのがDaaSである。航空会社の顧客データに、外部のデータ組み合わせることで、顧客が次のフライトでどんなサービスを求めているのかということもわかる。新たな洞察によって、新たなビジネス領域を開拓できるようになる」とした。
さらに、「オラクルはクラウドへの取り組みが遅いのではないかとの指摘もあるが、われわれは基盤から作り、選択肢を提供し、さまざまなオファーに対応できる環境を作り上げた。日本オラクルの2500人の社員は、エキスパートとしてのトレーニングを受けることになる。オラクルは、最もエンタープライズを理解しているクラウドベンダーだといえる」と、クラウドベンダーとしての自信を見せた。
続いて、米オラクル テクノロジー・ライセンス&システムズ ビジネス・デベロップメント担当シニアバイスプレジデントのアンドリュー・サザーランド氏が登壇した。
サザーランド氏は、「パブリッククラウドは、多くのアプリケーションが動作しており、まるで複雑な建物が建っているのと状況と同じ。大きな建物には安定した基礎が大切であるように、モダンなクラウドには、適した強固なインフラが必要である。オラクルは、そのために、新たなクラウドのインフラを作り上げている」と述べた。
また、日本オラクル 専務執行役員 クラウドアプリケーション事業統括のピーター・フライシュマン氏は、「オラクルのクラウドは、広いアプリケーションを提供していることに加え、PaaSを持っているため、日本のユーザーが好きなカスタマイズにも対応できる。また、ペタバイト級のデータ分析に人間が関与するのは不可能である。Autonomous Databaseであれば、ペタバイト級のデータを自動的に分析し、アプリケーションが適切な判断をできるようになる。変革のペースが加速している中で遅れをとらないために、組織は新たなプラットフォームを活用しなくてはならない。小さな一歩から始め、デジタル・トランスフォーメーションを現実的なものとして取り入れていく必要がある」と説明した。