パフォーマンスとバッテリー駆動時間
X1 Carbon 2019は、CPUにインテルの第8世代「Kaby Lake-U」コアを採用しています。内部構成として、はX1 Carbon 2018と共通します。システムメモリがLPDDR3を最大16GBというのも同じです。
今回取り上げる評価機はCPUにCore i7-8565Uを搭載し、システムメモリ容量が16GB、ストレージはNVMe SSD「Western Digital PC SN720」の512GBという上位構成です。この評価機構成の処理能力を、PCMark 10、CINEBENCH R15、ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク、CrystalDiskMarkで測定、加えて、バッテリー駆動時間をBBench 1.0.1(電源プランを「パフォーマンス寄りのバランス」に、ディスプレイ輝度を10段階の下から6レベル目に設定)で調べています。
ThinkPad X1 Carbon 2019 のスペック
- CPU:Intel Core i7-8565U(1.80GHz)
- メモリ:16GB
- ストレージ:512GB NVMe SSD
- グラフィックス:Intel HD Graphics 620(CPU内蔵)
- 光学ドライブ:なし
- ディスプレイ:14型(2,560×1,440ドット)非光沢
- ネットワーク:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN(アダプタで対応)、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 5
- 本体サイズ/重量:W323×D217×H14.95mm、約1.09kg
- OS:Windows 10 Home 64bit
総評
キーボードの使い勝手はさすがThinkPadシリーズで、いまある薄型ノートPCでは安心して自然に使えるレベルにあるモデルの1つといえるでしょう。一方で、キーボードの発熱は使い勝手……というより使い心地に影響するかもしれません。これまでのThinkPadシリーズで、キートップに触れて「あちっ」と少しでも感じることは、自分の経験ではありませんでした。ファンの風切り音も、負荷が高い状態になると明確に分かります。
念のため、騒音計でCINEBENCH R15を走らせて発生音圧を測定したところ、最も高い値で40.3dBAでした(測定条件は、PCの中央ヒンジ部分から上に45度、距離を20cm離してマイクを固定。暗騒音は34.8dBA)。値そのものは図書館における音圧に相当しますが、それでも静かな図書館で作業している人の隣でこの冷却ファンの音を立てるのは、私ならちょっとはばかっちゃうな、ぐらいは思ったりします。
本体搭載インタフェースは、いまの周辺機器状況を考えれば十分。利用シーンにおいて、アナログRGB(D-Sub)出力や有線LANが必須でなければ、不足はありません。そして処理能力も、評価機構成では問題ありません。特にストレージの転送速度は現時点でトップレベルです。ディスプレイは構成にもよりますが、今回評価した2,560×1,440ドットなら、Windows 10の表示ズーム設定を150%まで下げると、高解像度の意味が出てくるでしょう。
また、形状によるバックの出し入れはすこぶるよろしく、それ以上にほぼ1kgという軽さと14型ディスプレイ搭載というボディサイズのバランスも秀逸。使いやすく処理能力が高いPCを常に必要とし、それが故に常に携行したいユーザーにとって、X1 Carbon 2019は最上の選択の1つになるでしょう。